ノルマンディーの防衛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 17:49 UTC 版)
「第352歩兵師団 (ドイツ国防軍)」の記事における「ノルマンディーの防衛」の解説
師団は、編成が完了すると東部戦線に移る予定であったが、西側への連合軍の侵攻の脅威からノルマンディーで大西洋の壁の守備隊として投入された。師団の兵員は、東部戦線に従軍した師団から集められた経験豊富な兵士と戦闘未経験の若い新兵と東方義勇部隊(de)との混合であり、東方義勇部隊は主に師団の支援に従事していた。訓練期間中、人員、装備、燃料が不足し、1944年初頭までに師団は適度に装備されていたものの、前線の歩兵戦闘に備えるにはほど遠い状態であった。 ノルマンディーの海岸地域は100kmに及ぶため、エルヴィン・ロンメル元帥はこの地域を半分に分けるように提案した。固定師団である第716歩兵師団に47kmの短縮された「カーン地帯」を提供し(第21装甲師団が支援)、第352歩兵師団を53kmの「バイユー地帯」の防衛に配備した(西の第709歩兵師団と東の第716歩兵師団の中間地点)。この両地帯の間には掩体壕やブンカー(トーチカ)が建設中であったが、この中間地点の防御陣地はドイツ軍の戦術上での水準に達していなかった。このため、第352歩兵師団の擲弾兵連隊をどのように配置するのかについて、ロンメルとクライスとの間で何度か意見が対立した。最終的に、2個の歩兵連隊を前方に配置し、1個の歩兵連隊を予備部隊として残すことが決定された。しかし、いくつかの大隊は独立して行動していたため、連隊指揮所は混乱していた。 バイユーのすぐ南にある師団右翼には、第915擲弾兵連隊(2個大隊)が偵察大隊と共に反撃の予備部隊として配置された。師団の左翼には、第914擲弾兵連隊の第2大隊がポワント・デュ・ホック(fr)の砲台の後方に配置された。オマハ・ビーチには第916擲弾兵連隊の第2大隊が配置された。対戦車猟兵大隊は、予備部隊として左と中央の師団の間に配置された。第916擲弾兵連隊の第1大隊は第716歩兵師団の防衛地域に配置され、ゴールド・ビーチの西部でイギリス軍に対抗することになった。
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