ノルマンディーの「ロベール」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:55 UTC 版)
「ロバート」の記事における「ノルマンディーの「ロベール」」の解説
ロロは建国の時に改宗してロベールに名を改めた。その後裔は代々ノルマンディー公を継いだが、ロロから数えて6代目が「悪魔公」ロベール1世である。ロベール1世は残忍な人物だったとされ、ヨーロッパ各地に伝わる悪魔ロバート伝説のモデルとされる場合もある。反面、熱心なキリスト教信者で、エルサレムへの旅に出て聖地巡礼を果たし、その帰路に客死した。 ロベール1世の子はドーバー海峡を越えてイギリスへ遠征してイングランドを征服し、「征服王」ウィリアム1世となった。以後、この子孫の嫡流はイングランド王国へ移り、父祖伝来の地であるノルマンディー地方はその属領のように扱われた。13世紀のはじめにはノルマンディー地方はフランス王家に奪われ、この地方に対するイングランド王の実権は失われたが、僅かに残された島嶼部(チャンネル諸島)を以って「ノルマンディー公」の称号は残された。 ロベール1世の孫にあたるノルマンディー公ロベール2世は、第1回十字軍に呼応するため領地のノルマンディーを担保に軍資金を確保し、遠征に参加した。ロベール2世はニカイア、ドリュラエウム、アンティオキアなどの戦勝に貢献し、エルサレム奪還を果たした。ロベール2世はこの遠征で聖ゲオルギオス伝説をヨーロッパへ持ち帰った人物とされており、イギリスの守護者「聖ジョージ」やイングランド国旗の聖ゲオルギウス十字はこれに由来する。
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