トリックス・トレイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 23:38 UTC 版)
OOゲージ鉄道模型。イギリスで展開されていたトリックス社 (Trix Ltd. ) の鉄道模型ブランド。 当初は交流三線式で、トリックス・ツイン・レールウェイ (TTR、Trix-Twin-Railway ) のブランド名が使用された。トリックス・エクスプレスでは三線式であったため、両側の走行用レールと中央のレールを使い分けることで2つの列車を同一の線路上で同時に走行させることが出来た。そのためツイン・レールウェイと命名された。 1935年12月にTTRが発売された当時は、ドイツ製造のトリックス・エクスプレス製品をイギリスで塗り替えていたが、1936年からはドイツ製シャーシを使用し、ボディはバゼット・ローク傘下のウィンターミンガム社 (Winteringham Ltd. ) の工場で製造するようになった。1938年以降はドイツの「合同玩具工場 アンドレアス・フェルトナー & J・ハフナーの後継者 有限責任会社」とは袂を分かち、独自に製品が作られるようになった。 1941年からは戦時物資の製造が始まったため、TTRの製造は中止され、1947年から再開された。1950年からイギリス国鉄発足に伴い国鉄仕様のTTRが製造されたが、TTRでは旧製品の塗り替えであったため、新製品を投入したホーンビィ・デュブロ (Hornby-DublO ) やトライアング (Tri-ang ) などのライバル会社と比べ分が悪かった。1952年にドイツのトリックスとの関係を清算することになり、バゼット・ロークもトリックス社から手を引いた。1956年に交流から直流に変更され、1958年に経営危機によりデュファイ社 (Dufay Ltd. ) に買収され、工場はバーミンガムに移転した。 1960年、オーストリアのリリプット製品を輸入していたミニチュア・コンストラクション社 (Miniature Constructions ) の協力で、リリプットに製造を委託したプラスチック製の新製品を投入したものの、売り上げは伸びず、1962年にトリックス社は売却された。1963年にイギリスの繊維メーカーのコートルズ (Courtaulds ) 傘下のセラネース社 (Celanese ) に買収され、レクサムのセラネース社の工場でプラスチック製品の製造が開始された。 1967年に経営上の問題でトリックス社はドイツのトリックスに売却され、スーングレイド社 (Thernglade Ltd. ) が設立された。1967年以降は直流三線式をやめて直流二線式となり、ブランド名もTTRから「トリックス・トレイン」と変更された。1971年にドイツのトリックスが買収されたが、スーングレイド社では1973年まで続けられた。1974年にリリプットのイギリス子会社であるバーウィン・ホビーズ (Berwyn Hobbies ) が引き継ぎ、1992年まで製造された。1993年以降はいくつかの製品をイギリスのダポールや香港のケーダーが引き継いだ。 TTRやトリックス・トレインはイギリスや英連邦諸国では一般的であったものの、それ以外では展開はされなかった。
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