トラック用のエアロパーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 03:38 UTC 版)
「エアロパーツ」の記事における「トラック用のエアロパーツ」の解説
トラックにもエアロパーツが設定されている。トラックの場合はキャブ(運転台)よりも高さや幅のある荷台への空気抵抗を軽減する目的で装着されるため、主にバンボディを架装し、高速道路を走る機会が多い宅配便や企業間物流の路線トラック、冷凍車・保冷車、引っ越し業者などに見られる。スピードリミッターの装着が義務づけられているため最高速度は90km/hだが、乗用車よりも投影面積が大きい分、空気抵抗の軽減は燃費節約の効果をもたらす。参考までに三菱ふそう・スーパーグレートの場合、バンボディを架装した場合の空気抗力係数(cd値)は0.53となるが、エアロパーツを装着することによって0.44まで軽減され、巡航時の燃料消費量は3-8%低減される。 エアデフレクター(ウインドデフレクター) 運転台の上に装着し、荷台上方への空気抵抗を軽減する。別名導風板(どうふうばん)。メーカーによっては「ウインドデフレクター」「ドラッグフォイラー」と称する。 サイドパニエ(ギャップシールド) 運転台と荷台との間の隙間を埋める。エアデフレクターとセットで装着すると効果が上がる。 コーナーベーン フロントの左右端に装着。フロント部で圧縮されて速度の高まった気流を強制的にサイドに導き、気流の剥離を抑制して空気抵抗を減少させる他サイドウインドウの汚れ防止に効果がある。 フロントバイザー(ひさし) 本来は車内の日よけでは遮りきれない直射日光を抑えるために装着されるが、エアロパーツとして開発されたフロントバイザーはフロントガラス部分の空気抵抗をキャブ上方へ送り込むことで減少させる。 サイドスカート・リアスカート 目的・効果は乗用車用と同じ。ただし、通常のトラックではこの部分に燃料タンクやスペアタイヤ、冷凍装置、荷役用の機器などが装着されているためむき出しになっていることが多く、装着例は少ない。 サイドミラー トラックは構造上死角が多くなるためフロントに多数のミラーを装着して視界を補う。しかしミラーが多くなると空気抵抗が大きくなるため、サイドミラーとサイドアンダーミラーを一体のケーシングに収めることがある。 ボルテックス・ジェネレーター 高速走行中に荷台の背後に生じる巨大な渦は大きな走行抵抗になるが、この部材により小さな渦を発生させて大きな渦の発生を抑える。走行安定性を低下させるカルマン渦の抑制も期待される。
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