デンプン系接着剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 12:14 UTC 版)
デンプン系接着剤(Starch adhesives)は、植物由来のデンプンを主成分とする接着剤。溶液系(水系)。 デンプンを糊化させ、塗布後に水分が蒸発する過程を経て硬化・接着する。歴史は古く、麦粉で作った正麩(しょうふ)や米由来の続飯(そくい)などは奈良時代から使用されていた記録がある。現在ではトウモロコシを原料とするコーンスターチが主流。安価かつ使いやすい点から、文房具など紙接着分野で使われる。また、安全性の高さから食品容器の口糊などにも利用される。酢酸ビニール樹脂系などの合成糊の出現で取って代わられた傾向も見られたが、近年はエコロジー志向の観点から見直され使用が増えている傾向も見られる。 天然状態のデンプンは塗布機械への適性が悪い。大量消費用には粉体デンプンを熱分解し粘度を安定させた焙焼デキストリン、酸化させたデンプン、アセチル化・メチル化・カルボキシメチル化など変性させたものなどが使用される。
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