デジタルテレビとの非互換問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:59 UTC 版)
「クローズドキャプション」の記事における「デジタルテレビとの非互換問題」の解説
デジタルテレビまたはセットトップボックスを入手すると、放送局が送信してテレビが映るにもかかわらず、クローズドキャプション(CC)情報を表示できないことに多くの視聴者が気付く。 元々、CC情報はコンポジット映像入力を介して画像(のLine21)に含まれていたが、ディスプレイとデバイス(DVDプレーヤーや地上波・ケーブルのデジタルテレビ受信機)間でのデジタルビデオ相互接続(DVIやHDMI等)に同等する機能ではない。CC情報がMPEG-2のデータストリームでエンコードされている場合、MPEG-2データ(ソース)を解読するデバイスのみがクローズドキャプション情報にアクセスする。 CC情報を個別でディスプレイモニターに転送するための規格はない。そのため、CC情報がある場合に、ソースデバイスは相互接続のビデオ出力を通してディスプレイに転送する前に、画像にCC情報を重ね合わせる必要がある。 CC重ね合わせの制御は複雑とされるため、ソースデバイスの多くはCC情報を重ね合わせる機能を持っていない。歴史的に、DVDプレーヤー、ビデオテープレコーダ、セットトップチューナーなどはこの情報をテレビに渡すだけでこの重ね合わせを実行する必要がなく、またこの重ね合わせを実行するだけの権限も与えられていなかった。 昨今のデジタルテレビ受信機の多くはケーブルに直接接続可能だが、それだけでは利用者が金銭払いをするスクランブル済みのチャンネルを受信できないことが多い。したがって、コンポーネント間でCC情報を送信する標準的な方法がないことや、この情報を画像に追加する権限の欠如が、多くの難聴者や聴覚障害者にCCを利用できなくさせている。 欧州放送連合のシーファクスを基本とするテレテキスト方式はクローズドキャプション信号のソースであるため、テレテキストがDVB-TやDVB-Sに埋め込まれている時にはクローズドキャプション信号が内包されている。ただし、DVB-TやDVB-Sの場合、テレテキストのページ信号も存在する必要性がない(例えばITV (イギリス)はSky Digitalでアナログテレテキスト信号を送信しないが、受信機「サービス」メニュー等での切り替えで視聴可能な埋め込みバージョンを送っている)。 BBCの字幕(キャプション)編集ガイドラインはテレテキストの機能から生みだされたものだが、現在では編集・デザインの最も良い実践ガイドとして複数の欧州放送局で活用されている。
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