デザインの設定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 22:31 UTC 版)
続いて『インデペンデンス・デイ』を製作していたローランド・エメリッヒに新たに監督としてオファーがかかる。エメリッヒは4回ほど断ったが、ワニに影響を与えられた全く新しいゴジラのデザインを見せられたことでこれを受諾した。エメリッヒは「第1作の製作者たちが現代のSFX技術を持っていたらどのような映画になったか」を考えて作ったという。第1作でのゴジラが電車をくわえるシーンや調査隊が足跡を調査するシーン、1984年版でのビルにあいた穴からスーパーXがゴジラに攻撃するシーンなどをオマージュとして映画に挿入している。 またエメリッヒは、日本のゴジラをアメリカ流に作り替えることも考えており、リサーチの結果、初代ゴジラが爬虫類をベースにしていたことを知り、あらゆる爬虫類を研究し、最終的にトカゲ(イグアナ)をモチーフにしたゴジラを考えたという。スリムで敏捷な怪獣となったのは、着ぐるみだけではなく、CGも使って制作当時の技術で出来る動きをすべて使い、適切な技術を使ってあらゆるゴジラのアクションを見せたかったとしている。また、1954年のゴジラも本作品のゴジラも、製作当時の獣脚類型肉食恐竜の最新の知見に適った形態をしている。 エメリッヒ版ゴジラのデザインはパトリック・タトプロスによるものであり、「中途半端にアレンジを加えるとオリジナルに失礼だと考え、全く新しいものにした」という。このゴジラを見た東宝のゴジラ製作者たちは、あまりにも違いすぎるデザインにショックを受けたが、それでもハリウッドの作るゴジラ映画を見てみたいと考えて許可した。その際、東宝側の注文によって、足と手に3本と4本の指が付けられ、2列だったエメリッヒ版ゴジラの背びれは日本のものと同じ3列に修正された。この他にも、劇中で人を食す描写を避けるなどの諸注文がトライスター側に出された。米版ゴジラの顎はディズニー映画『ジャングル・ブック』に登場するトラのキャラクター、シア・カーンをベースにしたという。なお、デザイン担当の「タトプロス」は主人公の名前に引用された。コンセプトアートの段階ではトライスター版もレジェンダリー版も互いに良く似たものが存在した。
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