デカルト派の運動の哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 06:26 UTC 版)
「物理学の歴史」の記事における「デカルト派の運動の哲学」の解説
フランスの哲学者ルネ・デカルトは実験哲学のネットワークに繋がっており、多くの影響を受けていた。しかしデカルトは、伝統的なスコラ哲学に取って代わろうというより野心的な意図を持っていた。感覚を通して解釈される現実を疑問視し、知覚される全ての現象を「微粒子」の見えない海の運動に帰着させることで、デカルトは哲学の説明スキームを再構築しようと試みた(特に、彼は人間の思考と神を物理宇宙とは切り離されたものとして、彼のスキームから保留した)。この哲学的枠組みを提案する中で、デカルトは、例えば惑星と地上の物体等の別の種類の運動は本質的に異なるわけではないが、宇宙の原則に従った微粒子の運動の現れ方が異なるだけだと考えた。特に影響が大きかったのは、宇宙での微粒子の渦運動に帰着させた天体の円運動についての説明であり(デカルトはスコラ派の信念に基づいて、真空は存在しないと主張した)、また微粒子が物体を下に押し下げる性質に帰着させた重力の説明である(渦動説)。 デカルトはガリレオと同様に、数学的な説明の重要性を確信していて、彼や彼の追随者は、17世紀の数学や幾何学の発展に大きく貢献した。デカルトによる運動の数学的な記述は、ホイヘンスやゴットフリート・ライプニッツに引き継がれ、1714年にThe Monadologyが書かれた。
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