ダイヤの作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:50 UTC 版)
ダイヤの構成は運輸部輸送課(及び相当部門)の担当である。「スジ屋」と俗称される専門職がここに存在する。職名の由来はダイヤの複雑な線(筋)を引くことに由来する。その作成には路線ごとの輸送需要や線路容量、車両の速度種別や運用効率、乗務員の運用等が勘案される。所要時間については、車両性能や制限速度に基づき地点ごとの速度を表した運転曲線(ランカーブ)から基準運転時分を定め、そこに停車時分や余裕時分を加えて決めている。普通列車と比べ、優等列車(特急・急行など)の運転時刻が優先的に決められる場合が多い。 また、線路の容量をフルに使うのではなく、ある程度の余裕を見込む必要がある。特に保線作業を行うために必要な時間を確保する必要があり(これを「保守間合い」という)、通常は夜間に保守間合いが確保されるが、主要な路線においては夜行列車や貨物列車の運転との兼ね合いが最大の問題となる。また、昼間に大規模に列車を運休してリフレッシュ工事を行う路線もある。 手順としては最初に1時間ごとの大まかなダイヤグラムを作り、その後10分ごと数分ごととダイヤグラムを作っていき最終的には15秒単位の二分目ダイヤを作っていく。路線によっては一分目ダイヤを使うこともある。 混雑している路線でより多くの列車を運行するためには、閉塞区間の距離を見直す方法や、新型の運行保安装置にしたりといった方法がある。折り返し駅における計画はボトルネックとなりやすく、駅の配線を最適化したり、乗務員の折り返しを同じ列車ではなく後の列車にする「段下げ運用」を採用したりといった方法が採られる。また列車間隔が短い路線において乗降客数が多い駅では、2つの番線に交互に列車を停車させる相互発着を採用するところもある。
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