タイムカプセル登場前史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 16:48 UTC 版)
「タイムカプセル」の記事における「タイムカプセル登場前史」の解説
「タイムカプセル」という用語の登場は、後述のようにニューヨーク万国博覧会とされるが、貴重品を後世のために隠しておくというアイデアは、遠くメソポタミア文明にまで遡り、メソポタミアの都市遺跡の城壁の中に隠されていた小部屋の中から5,000年前の箱が発見されているなど、神殿や城塞の建設時に記念物を埋めることが行われてきた。現存する人類最古の文学であるギルガメシュ叙事詩の冒頭は、ウルクの城壁の礎石の中にある銅の箱の見つけ方から始まる。この箱にラピスラズリの銘板に書かれたギルガメシュの物語が保管されており、ここから彼の物語が語られる。 また末法思想の影響を受けた日本では、経典を後世に残すために陶・石・金属などで作られた容器(経筒)に納め、さらにそれを石・陶製の外容器に入れて、除湿剤(木炭)ともに埋納する経塚が多数作られた。最古の経塚とされる金峰山経塚では、1007年(寛弘4年)在銘の経筒が出土している。 現代につながるタイムカプセルの発想自体は、1876年のフィラデルフィア万国博覧会で既に現れており、「センチュリー・セーフ(世紀の金庫)」と名付けられたタイムカプセルが100年後に開かれる予定で用意された。 1936年、ジョージア州アトランタのオグレソープ大学(Oglethorpe University)は「文明の地下聖堂(Crypt of Civilization)」と呼ばれる小さな地下室を学内ホールの地下に作り、様々な書籍を撮影したマイクロフィルムや映像テープ、音声テープなどを収納してステンレス鋼のドアで密封し、8113年に開けることにしている。これは「タイムカプセル」という言葉のできる前の物だが、現代の意味のタイムカプセルの最初のものとみなされている。
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