ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:24 UTC 版)
「千羽鶴」の記事における「ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』」の解説
ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』(ジュラヴリ。鶴)という歌の内容のあらましは以下である。 白髪の父と母が窓から鶴の群れを眺める。すると1匹の鶴が戻ってくる。まるで息子が還ってきたかのように。窓の外から声が聞こえる。 ママ、ママ! こう叫ぶかのように鶴が鳴く。ママ、ママ! 天使(ここでは鶴の意味)が高く舞い上がる。聞こえる? パパ! 僕は国を守ったんだ。あなた方がここで生きて、生きて、今まで通りに暮らせるように。 先立った不孝を許して下さい。でも他に方法がなかったんだ。辛いのは分かるけど泣かないで。そして天使が空の中に飛んでいく。母は息子のために泣く。父は茫然としている。父は青空を見上げ、誰かが雲の影から現れるのを待っている。そして鳴き声と共に鶴たちが天に羽ばたく。それは夏鳥の一種ではない それは天使になった私達の息子! 『Журавлі』に合わせた動画のうちイメージが掴みやすいものを幾つか紹介する。 動画のあらましは順に以下である。 次々に天国への階段を昇っていく兵士たち。戦死した家族や戦友の遺影を見て悲しむ人達。ラストは斃れた兵士が鶴となって飛び立つ。 多数の戦死者の遺影に重なり空に軍用機、落下傘部隊、鶴の群れが舞う。教会の内部で動画が終わる。 追悼式を想起させる場面。聖職者達の前で歌手が歌う。 レクレーションに興じる6人の若者たち。それが5人になってしまい、1人の机には遺影が置かれる。 2022年ロシアのウクライナ侵攻後に作成された動画。年老いた両親が嘆き悲しむ様子。凄絶な反撃を続けるウクライナ軍。戦闘機、血を流し息絶えた少女。青黄旗の大きな翼を広げ兵士が地上から離れてゆく。(2:42)ロシア軍の戦車隊から故郷を守るため橋と共に自爆しウクライナ英雄を受章したヴィタリー・スカクン。(3:22)天国への階段を昇っていく兵士たち。冒頭に登場した女性が銃を取る。 このように『Журавлі』の曲は多くの若者がロシアとの戦争で命を奪われてしまう悲痛な状況を描く内容で、鶴の群れは戦場に散ったウクライナの息子たちが天使となって空を飛ぶ様を表している。 なおウクライナには『Журавлі』が題に入る歌は他にもあり、『チョルノーブィリを飛ぶ鶴』や、特に死を想起させるわけではない民謡もある。
※この「ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』」の解説は、「千羽鶴」の解説の一部です。
「ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』」を含む「千羽鶴」の記事については、「千羽鶴」の概要を参照ください。
- ゾーヤ・ジュラウカ作詞の『Журавлі』のページへのリンク