ソフトウェアにおけるプロトタイピング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/05/13 00:57 UTC 版)
「プロトタイピング」の記事における「ソフトウェアにおけるプロトタイピング」の解説
詳細は「ソフトウェアプロトタイピング」を参照 ソフトウェア開発工程のモデルの1つとしてプロトタイピング・モデルがある。要求を集め、プロトタイピングを行い、ユーザーがそれを検証する。エンドユーザーは何が必要か明確に意識していないことが多く、要求分析フェーズで明確な要求や目的を開発者に伝えられないことがある。このためにプロトタイプが使われる。ユーザーがプロトタイプを検証した後、そのフィードバックに基づいて新たなプロトタイプが作られ、再度ユーザーがその検証を行う。各サイクルはユーザーから聞き出すところから始まり、それに基づいてプロトタイプが作られ、それをユーザーがテストし、最初に戻る。 1980年代中ごろ、プロトタイピングはソフトウェア工学における要求分析問題の解決策として導入された。この場合のプロトタイプはアプリケーションの画面のモックアップ(原寸模型)であり、ユーザーはそれによって未だ開発されていないアプリケーションを頭に描くことができる。これによって開発されるシステムに何が必要かという設計上の決定をユーザーが行うことが容易になる。プロトタイプが導入された当初、その結果は驚異的だった。プロトタイプの導入によってユーザーと開発者のコミュニケーションは劇的に改善された。最初に画面を提示することで後からの変更が少なくなり、全体としての費用もかなり低減される。 しかし、その後の10年でプロトタイピングによっても解決できない次のような要求分析問題があることが明らかとなった: 管理者クラスがプロトタイプを見たとき、製品がすぐにできないことを理解するのが難しいことがある。 設計者は時間を浪費しないことを心がけているため、プロトタイプのコードを製品に使わざるをえないと感じ、(実装の選択肢を)強制されていると感じることがある。 プロトタイプは設計上の決定やユーザインタフェース設計に有効であるが、本来の要求が何であったかはプロトタイプからはわからない。 設計者やエンドユーザーがユーザインタフェースにかかりきりになり、システムの本体であるはずのビジネスプロセスが放って置かれる傾向がある。
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