センサーの進歩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/04 03:29 UTC 版)
初期からあった防犯用センサーは、窓や扉の開閉を感知するものであった。当時はセンサーの種類が少なく、信頼性を高めるためには、ほぼ全ての窓や扉にセンサーを設置する必要があった。そのため保守に手間がかかり、例えば学校なら、設置箇所も、家庭科室と保健室やコンピューター室と校長室や職員室など、貴重品の置いてある場所に限られ、一般の教室には設置しないことが多かった。 少し遅れて現れたセンサーとしては、窓を叩いたら、振動で感知するといったものがあった。しかし、窓にボールが当たる、地震が来るなど、どのような振動でも感知してしまい、警備業者はその誤報の多さに苦しんだ。しかし、このセンサーの失敗は、後に圧電素子を利用した改良型ガラス破壊センサーの開発へとつながった。改良型は、ガラスが破壊される際の振動(他の振動とは周波数で区別)だけを感知できるもので、旧型と比較して大幅に誤報が減り、広く利用された。 その後、侵入犯の巧妙化に対応して、機械警備も、精密化していく。機械警備業者は、センサーの死角を減らし、かつ、誤報も減らすために試行錯誤を繰り返した。その過程で作り出された失敗作のセンサーには、風が吹くだけで感知してしまうものや、近くで音が鳴っただけで感知してしまうものさえもあった。 現在、最も広く利用されているセンサーの一つとしては、赤外線センサー(受動型)がある。これは廊下の天井などに設置し、下を温かいもの(赤外線を出すもの)が通過したら、センサーが反応するもので、侵入者の体温を感知しようとしたのである。このセンサーは人間の体温という隠しようのないものを感知することで他のセンサーの盲点をカバーできるため、機械警備の信頼性を向上させるために大いに役立った。しかし、これにしても、鼠が通過してもセンサーが感知する、ファックスが送信されてもセンサーが感知するなど、誤報による警備会社の不必要な出番を却って増やす結果にもなっており、現場の警備員には嫌われている。 警備会社は、機械警備と併用して、夜間数回契約先を巡回するなど、機械警備で不足している点は人手で補うという対策をとっており、これはセンサーの信頼性が高くなった現在でも行なわれている。
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