スンダ語とは? わかりやすく解説

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スンダ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 01:58 UTC 版)

スンダ語
Basa Sunda(ᮘᮞ ᮞᮥᮔ᮪ᮓ,)Bahasa Sunda
話される国 インドネシア
地域 ジャワ島
話者数 3,000万人(2000年) [1]
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系 ラテン文字スンダ文字
公的地位
公用語 西ジャワ州バンテン州(地域言語)
言語コード
ISO 639-1 su
ISO 639-2 sun
ISO 639-3 sun
ジャワ島の言語分布
  スンダ語
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スンダ語(スンダご、スンダ語: Basa Sunda、インドネシア語: Bahasa Sunda: Sundanese language)はインドネシアジャワ島の西部で話されている言語である。オーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派の西語群に属する。話者は3000万人[1]でインドネシアの人口の15%に当る。

スンダ語を話す人。

方言

バンテン方言(Banten)、ボゴル方言(Bogor)、プリアガン方言(priangan)、チレボン方言(Cirebon)の四つがあり、その内分布する範囲の広いプリアガン方言が共通語の母体である。

文字

十二世紀か十三世紀までアラビア文字表記、十七世紀までジャワ文字表記だった。十九世紀中ごろから、ラテン文字が用いられるようになった。スンダ文字も存在するが、現在では使われていない。

音韻

七つの短母音と二十の子音からなる。

母音

  • a [a]
  • i [i]
  • u [u]
  • e(éとも書く)[e]
  • o [o]
  • e [ə]
  • eu(oに近い曖昧母音)[ɤ]

子音

  • m [m]
  • p [p]
  • b [b]
  • w  [w]
  • (f,v) [f]
  • n [n]
  • t [t]
  • d [d]
  • s [s]
  • (z)[z]
  • r [r]
  • l [l]
  • ny  [ɲ]
  • c  [tʃ]
  • j  [dʒ]
  • y  [j]
  • ng [ŋ]
  • k  [k]
  • g  [ɡ]
  • h  [h]

スンダ語では一般に、f,v,zは外来語にのみ用いられる。 インドネシア語の借用語では f->p, v->p, sy->s, sh->s, z->j, kh->h のように置き換わる

文法

基本語順

  • 主語→動詞→目的語
  • 被修飾語→修飾語

動詞

スンダ語には人称、時制、アスペクトによる動詞の活用が存在しない。時制やアスペクトは動詞の前にそれを表す語をおくことで表す。

  • 未来 arékまたはbadé+動詞

Taro ngapalkeun basa Sunda. (太郎はスンダ語を勉強する。)  → Taro arék ngapalkeun basa Sunda.(太郎はスンダ語を勉強するでしょう。)

  • 過去、完了 enggeusまたはparantos+動詞

Taro enggeus ngapalkeun basa Sunda.(太郎はスンダ語をもう勉強した。)

  • 進行形 keunまたはnuju+動詞

Taro keur ngapalkeun basa Sunda. (太郎はスンダ語を勉強している。)

  • 経験 kungsi+動詞

Taro kungsi ngapalkeun basa Sunda.(太郎はスンダ語を勉強したことがある。)

  • 開始  kakara+動詞

Taro kakara ngapalkeun basa Sunda.(太郎はスンダ語を勉強したばかりだ。)

その他

受動態

受動態は接頭辞ka-を用いて表される。 bawa(運ぶ)→kabawa(運ばれる)

助動詞

助動詞は動詞の直前に置かれる。

  • 可能  bisaまたはtiasa+動詞「~できる」
  • 意思  hayangまたはhoyong+動詞「~したい」
  • 義務  kuduまたはkedah+動詞「~しなければならない」
  • 許可  meunangまたはkénging+動詞「~してよい」

関係節

関係節は先行詞→anuまたはnuで表される。 buku(本)nu kudu(~しなければならない) baca(読む) →読まなければならない本

あいさつ表現

  • おはようございます。Wilujeng enjing
  • こんにちは。Wilujeng siang.
  • こんばんは。Wilujeng wengi
  • ありがとうございます。Hatur nuhun.
  • いいえ、どういたしまして。Sawangsulna./Sami-sami.
  • お許しください。Hapunten.

参考文献

森山幹弘・降幡正志『スンダ語文法』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2003年)

森山幹弘・降幡正志『スンダ語語彙集』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2003年)

脚注

  1. ^ a b [1]

関連項目

外部リンク



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