ストーンヘンジ3ii
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:33 UTC 版)
「ストーンヘンジ」の記事における「ストーンヘンジ3ii」の解説
紀元前3千年紀の末に起こったその次の大きな活動段階には、およそ40km北にあるマルボロー・ダウンズの石切り場から運ばれた、30もの巨大な大砂岩(sersen)が現れる(図中では灰色で示した)。この石はほぞ穴とほぞの継ぎを加工されてから、30個が直径33mの円陣状に立てられ、上に30個の横石が載せられた。横石自身も、さね継ぎという木工の手法で互いに接続された。それぞれの縦石はおよそ高さ4.1m、幅2.1m、重さ約25トンである。それぞれ明らかに最終的な効果を意識して加工されている。すなわち、直立した石は上の方がやや幅広くなっており、遠近法によって上下が同じ幅に見えるようにしてある。また、横石はわずかに湾曲しており、遺跡全体で円に見えるように作ってある。石の円陣の内側に面している側面は、外側に面した側面よりも滑らか、かつ精密に加工されている。これらの石の平均厚みは1.1mで、それぞれの間隔は平均1mである。円陣を完成させるのには合計で74個の石が必要であり、それらの大砂岩の一部が持ち去られたのでない限り、この円陣は最後まで未完成のままだったと考えられる。横石については、それぞれおよそ長さ3.2m、幅1m、厚さ0.8mである。横石の上端は地表面から4.9mの高さにある。 この円陣の内側に、加工された大砂岩でできた5個のトリリトンが、さし渡し13.7mの北東側の空いた馬蹄形に並べられて立っている。これらの巨岩は、10個が縦石、5個が横石なのだが、それぞれ重さが50トンに及び、複雑な接続構造で積まれている。いずれも左右対称に整形されていて、もっとも小さいものは高さ約6m、その隣には南西の隅にある少し高いところにある最大のもので、高さ7.3mである。この大トリリトンのうち、現在立っているのは一つだけであるが、地上部分の高さだけで6.7m、さらに地下に2.4m埋まっている。 ストーン53として知られるひとつの大砂岩の表面に、短剣と14個の斧の刃の絵が刻まれている。このほか、斧の刃の絵が3番、4番、および5番の石にも刻まれているのが見られる。これらの年代を特定するのは難しいが、形状は青銅器時代後期の武器に似ている。最新のレーザースキャンによりこの解釈が裏付けられた。 この野心的な時期は、炭素年代測定法により紀元前2440年から2100年の間とされる。ちなみに地質用語ではない大砂岩とは、暁新世 (約6千万年前) に堆積し、氷河に覆われたイングランド各地に産出する固い砂岩である。英名のsarsen stoneは異教を意味するサラセンに由来する。
※この「ストーンヘンジ3ii」の解説は、「ストーンヘンジ」の解説の一部です。
「ストーンヘンジ3ii」を含む「ストーンヘンジ」の記事については、「ストーンヘンジ」の概要を参照ください。
- ストーンヘンジ3iiのページへのリンク