スタンバイ記号のあいまいさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 14:06 UTC 版)
「録音録画再生機器のボタン」の記事における「スタンバイ記号のあいまいさ」の解説
機器に付けられたスタンバイ記号(上が欠けた丸に縦棒)が実際にどのような機能を持つのかはあいまいである。もともとは予熱中などで使用できない状態を表示するための記号であったが、そのうち電源を切っても待機電力で予熱を続ける機器が現れた。また、見た目は電源ボタンのように見えても、内部的には電源制御回路に信号を送るためのボタンであって、電源制御回路そのものは常時通電している場合がある。このように機器の一部でも通電している場合は、「主電源切」記号、「電源入-切記号」を使うことは認められず、「スタンバイ」記号を使わなければならない。このため、「入の反対側がスタンバイのトグルスイッチ」や「押すと起動するスタンバイボタン」が現れた。スタンバイ記号は一般的には「電源ボタン」と認識されており、さらには企業のロゴマークやファッションにも転用され「力強さ」や「サイバーっぽさ」を表現するのに使われるようになったが、これはIEC 60417-5009の元来の定義に照らすと不正確である。 さらに、電子機器にはスタンバイモードとは別に省電力モードやスリープモードが設定されているものもあるが、「スタンバイボタンを押すと(スタンバイモードではなく)省電力モードに移行する」ものすらあり、スタンバイ記号のボタンを押すと何が起こるのか、図記号のせいで却って分かりにくくなっている。 そこでカリフォルニア電力委員会やIEEEなどが提案者となり、省電力状態を表すための別なスリープ記号(三日月マーク)が提案された。この提言が通った場合、従前のスタンバイ記号(上が欠けた丸に縦棒)は「電源」一般を示す記号として再定義されることになっていた。この記号変更は、2004年12月8日にIEEE標準1621号で発行された。 JISの体系では図記号1個ごとに番号を付けて管理することはしていないため、個別のJIS規格ごとに図記号の定義が異なる場合がある。例えば、JIS D0032「自動車-操作、計量及び警報装置の識別記号」附属書X.01図では、IEC 60417-5009(上が欠けた丸に縦線)をスタンバイではなく「電源 ON/OFF」と定義している。今後10年を目途に調整を図っていくこととされている
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