コレステロール値の増減に関わる因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:45 UTC 版)
「コレステロール」の記事における「コレステロール値の増減に関わる因子」の解説
人間の体内にあるコレステロールのうち、およそ7割前後は肝臓で合成されている[信頼性要検証]。コレステロールを多く含む食事の摂取が増えても、生体には恒常性を保つ調節機構があり、健康な人間であれば体内におけるコレステロール量は一定に保たれている。しかし、生合成の出発点となるスクアレンはアセチルCoAから合成されるため、食事からコレステロールを取らなかったとしても脂肪や炭水化物を摂取すれば体内でコレステロールに転換されることになる。 従来はリノール酸はコレステロールを下げる働きがあるとされていたが、長期的にはTC(総コレステロール)値に変化がないとの結果が出ている。 臨床検査分野における標準となるLDL測定法は、アメリカ疾病予防管理センターのベータ測定法であるが、費用上の問題で、血中LDL値はフリードワルドの公式で算出することがある。その式は LDL値 = 総コレステロール値 − 総HDL値 − 中性脂肪値の20% である[信頼性要検証]。この計算式の基となる理論は総コレステロール値がHDL、LDLおよびVLDLの合計で定義されることを利用する。この理論に基づき、実際に測定する総コレステロールから測定するHDL値と中性脂肪値から導き出されるVLDL値を差し引くのである。そしてVLDL値はおよそ中性脂肪値の5分の1であることが経験的に知られている。 このような背景から特に次の点に留意すべきである。コレステロール値とことなり中性脂肪値は直近の食物の摂取や内容により大きく変動する。そのため、血液検査前は最低8–12時間、完全に影響を排除するには 12–16時間の絶食が必要である。 臨床事例増加により分かったことは、直接LDLとHDLの濃度とサイズとを測定する方法に比べて、総コレステロールとHDLコレステロールとを測定し式より導かれる値でLDLの決定する方法は実際に直接LDLを測定する方法に比べLDL値が大きな値を推定することが示されている。
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