コダーイ
コダーイの業績は、作曲、マジャール(ハンガリー)民謡の研究、収集した民謡に基づく国民的な音楽教育の体系化の創案という3つの分野で顕著である。両親共に音楽の愛好家で、幼少の頃からハイドンやモーツァルトの室内楽に親しんでいた。
父が鉄道の官吏であったため、ハンガリー国内を転々としながら育ち、1892年に一家はハンガリーの古い地方文化都市、ナジュソンバトに身を落ち着かせ、ここでコダーイは正式な音楽教育を受けることとなった。奨学金を得て入学したブダペストの大学では、フランス文化とラテン人文主義を学んだ後、ブダペスト音楽院に学び、ヤーノシュ・ケスラーに作曲を師事した。
ブラームスや16世紀イタリアのポリフォニー、ドビュッシーなどのフランス印象主義の影響がみられる初期の作風は、時を経て民謡の研究の成果と融合され、独自の音楽の語法が編み出されるに至った。
総じて古典的な形式の明晰さやバランスを重視する傾向にあり、独奏ピアノのための作品には、《ドビュッシーの主題による瞑想曲》(1907)や《9つの小品 作品3》(1909-1910)、第1曲目の<巷に雨が降るように>で知られている《7つの小品 作品11》(1910-1918)が挙げられる。
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