ゲームメディアの事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:35 UTC 版)
「ゲーマーゲート論争」の記事における「ゲームメディアの事件」の解説
ゲーマーゲート問題では、フェミニズム運動や反性差別運動と、メディアの腐敗を合わせたような事件も起こった。 2013年9月、インディーズ系ホラーゲーム『Homesick』が、クラウドファンディングサイトのインディーゴーゴー(IndieGoGo)に登録され、資金調達が行われた。ゲームブログ『Destructoid』に取材依頼があり、Destructoidの担当ライターだったアリスタイア・ピンゾフ(Allistair Pinzof)によってレポートがまとめられ、メディアが拡散することで、目標額の3万5千ドル(約392万円)に向け順調な滑り出しを見せた。 レポートでは、『Homesick』開発者のクロエ・セガール(Chloe Segal)が、自分が起こした交通事故によって胸に異物を残し、健康が芳しくない中でゲームの開発を続けているという健気なストーリーが描かれていた。クラウドファンディングでは個人の健康を理由にした資金調達は認められていないが、このケースはギリギリの線上にあり、記事を見た多くの読者の同情を集めたと見られる。 しかし、のちにこれは作り話だと判明した。クロエ・セガールは集めた資金の大半を、自分の性転換手術に利用する予定だった。企画ページに開発費の使い道についての詳しい見積もりは掲載されていなかった。アリスタイア・ピンゾフは事実を知りながら、「バラせば自殺する」という脅迫によって口止めされていた。クラウドファンディングが成功した直後、不正を知ったインディーゴーゴーによってページが閉鎖されてクロエ・セガールは「もうすべてが終わった」と自殺予告ともとれるコメントをTwitterに残して消息を絶ったが、のちに存命が確認された。 ゾーイ・クィンの炎上など、開発者とジャーナリストの癒着が数多く話題になっている中で真相が明らかとなり、ゲーマーゲートコミュニティから批判を浴びた。アリスタイア・ピンゾフは解雇され、ゲームジャーナリズム界からも身を引いた。2014年頃、彼は事件の概要を自分の立場で報告するブログ記事を公開し、「人権団体からのプレッシャーにより、Destructoidは私をクビにした」と述べた。信用を失墜したDestructoidでは退職者が続出し、不安定な状態となった。
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