ゲームにおける法線マッピング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/31 14:15 UTC 版)
「法線マッピング」の記事における「ゲームにおける法線マッピング」の解説
実時間の法線マップのレンダリングはノースカロライナ大学チャペルヒル校で開発した並列レンダリングマシン PixelFlow で世界で初めて実現した。その後SGIのワークステーションでも、マルチパス・レンダリングとフレームバッファ操作で可能となった。さらにPCではパレット化テクスチャと呼ばれる技法を使って可能となった。その後PCやゲーム機にもプログラマブルシェーダーが搭載されるようになり、2003年後半ごろからビデオゲームで法線マッピングが普通に使えるようになり、オープンソースのゲームにも広がっていった。リアルタイムのレンダリングで法線マッピングがよく使われるのは、同様の効果が得られる他の技法に比べて処理性能が低くてもよいためである。そのような効率が可能となっているのは、distance-indexed detail scaling と呼ばれる技法によるところが大きい。これは、視点から遠い表面ほど光源のシミュレーションをあまり厳密にしなくて済むため、遠いオブジェクトほど法線マップの詳細度を低減させるものである(ミップマップ)。 基本的な法線マッピングは、パレット化テクスチャをサポートしていれば、どんなハードウェアでも実装できる。法線マッピング専用ハードウェアを備えた最初のゲーム機はセガのドリームキャストだった。しかし実際に市販されたゲームで法線マッピングを多用したのはマイクロソフトのXboxが最初である。Xboxは世界で最初にプログラマブルシェーダーを搭載したコンシューマーゲーム機であった。同時代のゲーム機、プレイステーション2のGPUは法線マッピングをサポートしていなかった。Xbox 360とプレイステーション3のゲームは法線マッピングを多用しており、視差マッピングの実装も始まっている。 バンプマップに比べて法線マップを手作業で製作するのは困難であるため、通常はマッピング対象となるローポリゴンモデルを基に、ZBrushなどの3Dスカルプトソフトで細部を作りこみ、その情報を法線マップに変換して適用する手法が用いられる。
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