クリミア問題
別名:クリミア半島問題、クリム半島問題
黒海北部に位置する半島であるクリミア半島に関する紛争や諸問題の通称。2014年3月時点ではもっぱら、ロシア軍のクリミア半島への侵攻と、それに対する各国の対応などを指して用いられている。
クリミア半島は地政学上の要所であり、古くからクリミア問題と称し得る出来事を多数発生させている。19世紀半ばにはトルコへの進出を目論むロシアと英仏トルコらの連合軍が激突した主戦場となり、今日これは「クリミア戦争」(Crimean War)の呼び名で知られている。
クリミア半島はウクライナの一部であり、半島の大半をクリミア自治共和国が占める。1980年代まで旧ソ連の一部となっていた。21世紀に入った時点で、住民の比率で最も多数を占める民族はロシア人となっている。
クリミア半島を国土の一部とするウクライナでは、2014年2月、民衆デモと治安部隊が衝突して数十名の死傷者を出した末、ヤヌコービッチ政権が事実上崩壊するという事態が発生した。これを受けてロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事介入をロシア議会に提議するとともに、3月初頭までにロシア軍をクリミア半島に派兵する行動を開始した。ウクライナでは連合野党・祖国の幹部アルセニー・ヤツェニュクを代表に据えたウクライナ暫定政権を発足させ、ロシアの動向を「実質的な宣戦布告」であるとして強く避難する姿勢を表明している。
クリミア問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 04:37 UTC 版)
2014年4月、ロシアのクリミア併合に際して北大西洋条約機構は「(ロシアと北大西洋条約機構の間の条約)に反して、ロシアはウクライナの一部を占領し、国境に多数の軍勢を維持し、ラブロフ外相が最近発言したように『ウクライナがどの陣営にも加入しない』ことを要求するなどして、今や勢力圏を復活させようとしているようである」と主張した。同じくロシアを批判する文脈で、2014年11月、ドイツ首相アンゲラ・メルケルは、「国際法を無視した勢力圏に関する古い考え方」は「全ヨーロッパの平和に疑義を呈する」ものであると述べた。2017年1月、イギリス首相テリーザ・メイは「我々は、それらがロシアの勢力圏下にあるというプーチン大統領の主張を受け入れることで、レーガン大統領とサッチャー氏が東欧にもたらした自由を揺るがすべきではない」と述べた。
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