クイック起動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 20:32 UTC 版)
よく使うアプリケーションを登録できるパレット型のランチャーツール。厳密にはフォルダツールバーの一種で機能は同等である。ここに登録すると項目がアイコン表示され、そのアイコンを一度クリックするだけで素早く起動できるようになる。98以降のIEが統合されたすべてのWindowsに搭載されていたが、Windows 7ではタスクバー自身が新たなランチャー機能を有したために廃止された。ただしクイック起動の実体フォルダは依然残されたままで、このフォルダを手動でツールバーに追加すると従来と同じ機能を再現できる。 スタートメニューやデスクトップ上のリンクと比較すると、クイック起動は常にタスクバー上に直接表示されているためいつでもすぐに起動できるという大きな長所がある。 スタートからいくつもメニューをたどったりデスクトップ表示を遮る他の邪魔なウインドウを一時的によけるといった余計な作業を省略出来るため、Windowsの操作に慣れたユーザーにとっては非常に利便性が高い。単なるランチャーとしてだけではなく、アイコンの操作はエクスプローラーでのファイル操作に準じている。右クリックメニューからの名前変更・プロパティ表示・削除などが可能で、ドラッグ&ドロップで任意のショートカットを登録することもできる。 アイコンを追加するごとに表示領域が横へと広がるが、Windows XP以降ではデフォルトで3つ以上アイコンが登録されていると自動で省略表示が出来るようになった。省略されたアイコンについてはメニュー型ランチャーとして表示される。 使いこなせる者にとっては非常に優れたランチャーである一方、過度に登録すると多すぎて使い辛くなったり、タスクバーがアイコンだけで占有されるといったマイナス面も有している。 その性質から登録数は最小限に抑えなければならないが、Windows XP以降ではソフトをセットアップする際に自動登録するインストーラーが横行したために多数の不要アイコンで溢れる事態となった。このような状況のクイック起動は本来の性能を発揮しないばかりかしばしばスタートメニュー等にも劣るようになる。ユーザーが不要なアイコンを減らせば解決するが、編集方法がわからずそれが叶わないユーザー層にとっては結果的に存在価値がないと見なされることが多い。 また、初心者にとっては直感的に「ウインドウ一覧」のボタンと混同してしまいがちである。同じタスクバー上にある同じアイコンが表示されているボタンであるのに一方は「初めに押すもの」もう一方は「実行中に押すもの」となぜか2手に分かれている、と解釈しているためである。このためアプリケーションの状態について実行中か未実行かの違いを認識していないユーザー層には直感的ではないと不評だった。このような背景からWindows 7ではタスクバー上のクイック起動を廃止し、ウインドウ一覧に同種のランチャー機能を一体化させることでアプリケーションが実行されているかどうかにかかわらず統一的な表示・操作体系を提供するよう改良された。
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