キー局系衛星放送局
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:02 UTC 版)
地上波キー局系の衛星放送局(BS放送・CS放送)で、親会社のキー局の番組をそのまま放送する場合、一部映像において、放送権・肖像権の問題が発生する。主にスポーツの試合(主に近代オリンピックやFIFAワールドカップ関連)やタレント(肖像権が特に厳しいジャニーズ事務所関連がほとんど)の映像などに多い。 これらの映像は、地上波局で「のみ」放送することが許されている場合が多く、(たとえ資本関係があるにせよ)衛星局は放送する事業者が異なる(地上波と同一法人の事業者も存在する)ため、そのまま放送すると権利を侵害することになる。 これを回避するために、当該の映像の冒頭で画像をストップさせて静止画(スチル)状態にし、「この映像は放送できません」などという断りのテロップを表示したり、代替として新聞社・通信社が配信した写真を表示することがある。地上波側でその映像が終了すると、かぶせ放送を終え、通常の番組に戻る。 スチル状態にもできない場合は、テロップのみや、関係のない静止画(風景写真など)を放送する場合もある。 日テレG+のプロ野球中継(巨人ホームゲーム)では地上波・BS放送向けとCS放送向けに分かれて送出しているため、地上波が他球場の途中経過映像や企画ものが流れていても、CS放送では蓋かぶせをせず、球場内映像を流したままで「権利の関係上、映像はお届けできません」とテロップ表示される。 衛星放送局が地上波と同一法人で運営している場合はある程度は問題なく放送できるが、ごくまれに蓋かぶせとなる場合もある。 なお、NHKのBS放送では地上波の同時・時差放送でも地上波と同一法人の運営で放送権・肖像権を管理しているため、蓋かぶせすることは試験放送時代から一切行っていない(2010年3月に開始した放送衛星による地デジ難視対策衛星放送でも民放を含めて同様である)。ただし、2008年12月に開始したNHKオンデマンドと2020年3月に開始したNHKプラスでは放送権・肖像権などの都合で放送できない部分は当該箇所のみ蓋かぶせ(NHKワールドで使用しているのとは別の静止画像)もしくは配信そのものを中止することがある。また、放送大学学園のBS放送でも放送開始・終了時のコールサインアナウンス部分で放送休止扱いの差し替えがある以外、蓋かぶせを一切行なっていない(こちらもNHKのBS放送と同様、地上波と同一法人の運営で放送権・肖像権を管理しているためである)。
※この「キー局系衛星放送局」の解説は、「かぶせ放送」の解説の一部です。
「キー局系衛星放送局」を含む「かぶせ放送」の記事については、「かぶせ放送」の概要を参照ください。
- キー局系衛星放送局のページへのリンク