キー式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 04:41 UTC 版)
キー式シンクロナイザーは、ハブの外周120度おきに3カ所の切り欠きを設け、それぞれにシンクロナイザーキー(英: synchronizer key)(キー)を配してスナップリングで保持する構造を持つ。スリーブがスライドするとハブは固定されたままキーだけがスライドして、円錐形のシンクロナイザーリングを歯車の側面に設けられた円錐形状面へ押し付けて摩擦を発生させる。リングの外周にはスリーブと噛み合うスプラインが設けられ、互いのスプラインはチャンファーと呼ばれる面取りが行われている。ハブの切り欠き幅に対してキーの幅は小さく、間隙が設けられていて、リングとスリーブのチャンファーが互いに向き合う位相まで回転される。さらにスリーブをスライドさせると、チャンファーを介してリングが押しつけられ、歯車との間に強い摩擦力を生じ、同時に、チャンファーがスリーブのスライドを阻止する。同期が完了するとチャンファーにかかるトルクがなくなり、スリーブはチャンファーを滑りながらスプラインが噛み合う位置までスライドできるようになる。 ボルグワーナー(英: Borg-Warner)社が開発したことからボルグワーナー式とも呼ばれる。ワーナーシンクロはポルシェシンクロ程の強力なブレーキ作用は無いが、接触面積の大きなテーパー面接触とキーの併用式であることから耐久性が高く、シンクロの効き方も一定の強さで強まっていくことから、ポルシェシンクロと比較して「カチカチと入るようなシフトフィール」と形容される事がある。[要出典] 円錐形のシンクロナイザーリングはコーンリング(英: cone ring)とも呼ばれ、1組のシンクロナイザーに複数のコーンリングを重ねて摩擦面を増やし、より短い時間での同期を行うマルチコーンシンクロ(英: multi cone synchro)と呼ばれる発展型も普及している。コーンリングを2つ重ねたものはダブルコーンシンクロ(英: double cone synchro)、3つ重ねたものはトリプルコーンシンクロ(英: triple cone synchro)と呼ばれる。
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