ガス麻酔薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 03:59 UTC 版)
亜酸化窒素(笑気) 現在用いられている唯一のガス麻酔薬である。常温でガスであるので当然、気化器は不要である。呼吸、循環に対する作用は殆どないが長期連用(3日位)で骨髄抑制が起こることが知られている。MACが105と高値であり、麻酔作用は弱いものの、血液/ガス分配係数は極めて小さく導入は極めて早い。鎮痛作用は強く、無痛分娩、歯科麻酔への応用がある。通常、単独で麻酔をかけることはできないので、他の麻酔薬と組み合わせて用いる。50%程度の濃度で用いて手術終了まで投与を続ける。近年は亜酸化窒素不要論が展開されている。その根拠は2次ガス効果の存在までも否定する意見が近年出つつあるからである。 閉鎖腔に対する効果 体内の窒素と置換されて麻酔作用を持つと考えられている。体内に閉鎖腔が存在すると窒素より亜酸化窒素の方が拡散が速いため閉鎖腔の拡大を招く。イレウスや気胸、副鼻腔炎、中耳炎などでは注意して用いる必要がある。 拡散性低酸素症 亜酸化窒素終了時、大量の亜酸化窒素が肺胞内に出てくることで肺胞内酸素分圧が低下する。そのため亜酸化窒素終了後は5分以上の純酸素投与が必要と考えられている。 環境での半減期は130年程度 キセノン 血液/ガス分配係数は0.47、環境負荷ほぼない。
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