カリー化と双対空間とは? わかりやすく解説

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カリー化と双対空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/21 03:02 UTC 版)

双線型形式」の記事における「カリー化と双対空間」の解説

ベクトル空間 V 上の任意の双線型形式 B に対しカリー化により、V から双対空間 V* への線型写像の対 B1, B2: V → V* が B 1 ( v ) = B ( v , ∙ ) : V → F ; w ↦ B 1 ( v ) ( w ) = B ( v , w ) {\displaystyle B_{1}(\mathbf {v} )=B(\mathbf {v} ,\bullet )\colon V\to F;\;\mathbf {w} \mapsto B_{1}(\mathbf {v} )(\mathbf {w} )=B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )} B 2 ( w ) = B ( ∙ , w ) : V → F ; v ↦ B 2 ( w ) ( v ) = B ( v , w ) {\displaystyle B_{2}(\mathbf {w} )=B(\bullet ,\mathbf {w} )\colon V\to F;\;\mathbf {v} \mapsto B_{2}(\mathbf {w} )(\mathbf {v} )=B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )} として誘導される。ここに黒丸 • は、得られる線型汎函数引数が入る場所を示すプレースホルダである。 V が有限次元ベクトル空間である場合には、B1 または B2いずれか一方同型ならば、両者とも同型となり、このとき双線型形式 B は非退化であると言う。より具体的に有限次元ベクトル空間上の双線型形式 B が非退化であるとは、 B ( x , y ) = 0 ( ∀ y ∈ V ) ⟹ x = 0 , {\displaystyle B(x,y)=0\,(\forall y\in V)\implies x=0,} B ( x , y ) = 0 ( ∀ x ∈ V ) ⟹ y = 0 {\displaystyle B(x,y)=0\,(\forall x\in V)\implies y=0} がともに成立することを言う。 可換環 R の上加群 M の場合にこれと対応する概念として、双線型形式 B: M × M → R が単 (unimodular) であるとは、誘導される写像 B1, B2: M → M* := Hom(M,R) が同型であるときに言う。可換環上の有限階数加群与えられたとき、誘導され写像単射上の意味で非退化)だが単でないという場合起こり得る例えば、有理整数環 Z 上の双線型形式 B(x, y) = 2xy は非退化だが単でない(実際誘導される Z → Z* = Z は 2-倍写像だから同型でない)。 V が有限次元の場合は、V と二重双対 V** とを同一視できる。このとき、B2線型写像 B1転置写像となることが示せる(V が無限次元の場合には、B2B1転置写像を V** における V の像に制限したものと一致する)。与えられ双線型形式 B に対し、B の転置とは B*(v, w) = B(w, v) で定義される双線型形式を言う。 双線型形式 B の左根基および右根基とは、それぞれ B1 および B2、すなわちそれぞれ左および右の引数空間全体直交するベクトル全てからなる部分空間を言う。 V が有限次元ならば、B1階数B2階数等しい。この階数dim(V)等しいならば B1, B2 はともに V から V* への線型同型であり、したがって B は非退化である。階数・退化次数の定理により、これは左根基が(あるいは同じことだが右根基が)自明であるという条件同値である。実際有限次元の場合には、しばしばこれを非退化の定義として採用する: 定義 双線型形式 B が非退化であるとは、B(v, w) = 0 (∀w) ならば v = 0 となることをいう。 線型写像 A: V → V* が任意に与えられると、 B(v, w) = A(v)(w) と置くことにより V 上の双線型形式 B が定まる。この形式非退化であるための必要十分条件は A が同型であることである。 V が有限次元の時、V の適当な基底に関して双線型形式退化するための必要十分条件は、対応する行列行列式となること。同様に非退化形式対応する行列行列式でない(行列正則)である双線型形式である。これらは基底取り方に依らず成り立つ事実である。 可換環上の加群場合には、単形式とは付随する行列行列式単元例えば 1)、したがって各項もそうであるよう双線型形式である。付随する行列が非だが単元でない形式は、非退化だが単でないことに注意すべきである例えば、整数環定義された B ( x , y ) = 2 x y {\displaystyle B(x,y)=2xy} など)。

※この「カリー化と双対空間」の解説は、「双線型形式」の解説の一部です。
「カリー化と双対空間」を含む「双線型形式」の記事については、「双線型形式」の概要を参照ください。

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