カメラ本体への内蔵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/23 06:47 UTC 版)
「モータードライブ (カメラ)」の記事における「カメラ本体への内蔵」の解説
電気モーターでフィルムを巻き上げる機構を内蔵する最初のカメラはヤシカセクエル(1962年発売)であり、同類同時期の製品としてはオリンパスペンEM(1965年発売)がある。その後コンパクトカメラの世界では比較的早い時期にモーターがカメラに内蔵されたが、これらは電源容量の限界もあって連写のためというよりはフィルム巻き上げを自動化したに留まっている。 モータードライブを内蔵した世界最初の市販一眼レフカメラはミノルタSR-M(1970年限定発売)であるが露出計を装備せず電源ユニットも別体であり、モータードライブを「内蔵」というよりは「一体化」したという方が相応しいものであった(X-1モーターも同様)。ミノルタX-1モーター(1976年発売)は露出計を装備し電源一体型となったが、ボディ重量が約1.5kgもあり連写速度も3.5コマ/秒と決して高速とは言えず、かつ高価であったことなどから販売実績は伸び悩み、市場にも影響を与えなかった。実際一般に「モータードライブを内蔵した世界最初の市販一眼レフカメラ」として言及されるカメラは次のコニカFS-1であることが多い。 そのコニカFS-1(1979年発売)はモータードライブを内蔵しながらボディーを普通サイズに納めて注目されたが、急いで設計したためかフィルム装填時のトラブルが多発し全製品リコールという事態を招き、結果的に「コニカが一眼レフ市場から撤退する原因を作ったのも、偽らざるところ」とあるように一眼レフカメラ事業そのものに止めを刺す遠因となってしまった。その後コンタックス137MD(1980年発売)、キヤノンT-70(1984年発売)などが散発的に発売されたがあまり一般化はしなかった。 ミノルタα-7000(1985年発売)以降はオートフォーカス化が急速に進み、フォーカスモーターを駆動するためにカメラボディー本体に大容量電源を積むのが当然になってモータードライブを本体に組み込むデメリットが小さくなり、相乗効果として小型で大容量のリチウム電池の普及も後押しとなり、もはや外付けのモータードライブはほとんど発売されなくなった。オートフォーカスの機種で外付けモータードライブがオプション設定されたのは1986年のミノルタα-9000が最後である。
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