カポック油
カポックの種子から得られる半乾性油であり、圧搾法または圧抽法で採油する。カポック油の性状は綿実油に似ているが、脱酸・脱色・脱臭の工程でかなり粘度が増加する性質をもつ。また揚げ物に使うと粘土が上昇し、泡が立ち、異臭を放つことも特徴である。 沃素価85~112、鹸化価182~196、水酸基価7~13、不鹸化物1.0%以下、屈折率n1.469~1.473、比重d0.915~0.920、タイター27~32℃である。脂肪酸組成は、C0~0.2%、C15.9~20.5%、C0.4~0.5%、C2.2~3.9%、C20.1~26.9%、C29.9~44.2%、C0.8~1.2%、マルバリン酸10.4~11.4%、ステルクリン酸3.6~4.2%。綿実油と同じく示差熱分析に顕著な陽性を示す。 この反応はきわめて敏感なので、他の油に0.05%程度混入していても検出が可能である。また、ペッソン反応に陽性であって、綿実油はこの反応に陰性なので、これはカポック油の特性反応とみなしうる。用途は食用または綿実油の代用として石鹸の製造に用いられたが、最近は食用に用いられていない。 |
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