カエサルの妻と愛人たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:20 UTC 版)
「ガイウス・ユリウス・カエサル」の記事における「カエサルの妻と愛人たち」の解説
紀元前62年、男性禁制のボナ・デアの儀式の際、妻ポンペイアが女装した情夫を引き入れたとされる騒動が起こった。カエサルは女装した犯人のプブリウス・クロディウス・プルケルの裁判に証人として出席したが、彼の容疑については何も知らないと答えた。しかし彼は事件後ポンペイアと離婚しており、それを不思議に思った検察官はなぜ離婚したのか尋ねたが、「カエサルの妻たるものは、いかなる嫌疑も受けてはならない」と答えたという。 また、カエサルには多くの愛人がいた。やや誇張と思われるが、一説によれば元老院議員の3分の1が妻をカエサルに寝取られたと伝えられている。このためカエサルは「ハゲの女たらし」と渾名された。古代ローマでは凱旋式の際に、軍団兵たちが将軍をからかう野次を飛ばす習慣があったが、カエサルの凱旋式においての軍団兵たちは「夫たちよ、妻を隠せ。薬缶頭(ハゲ)の女たらしのお通りだ」と叫んだ。「ハゲの女たらし」(羅: moechus calvus)と言われることを受け入れていたことは、カエサルの寛容さを説明する際に引き合いに出される。 なお、カエサルが関係を持ったと何らかの記述がある女性は以下の通りであり、他にも多くの女性と関係したと思われる。ただし記録にある限り、子宝にはほとんど恵まれなかった。 妻コルネリア - ルキウス・コルネリウス・キンナの娘。最初の妻ユリア - 長女(嫡子)。グナエウス・ポンペイウスと結婚、紀元前54年死去 ポンペイア - 2番目の妻、紀元前62年離婚 カルプルニア - ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスの娘。最後の妻 愛人コッスティア - 騎士階級の娘。婚約するも、コルネリアと結婚するために婚約破棄 セルウィリア - マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシスの姉、マルクス・ユニウス・ブルトゥスの母 ポストゥミア - セルウィウス・スルピキウスの妻。 ロリア - アウルス・ガビニウスの妻。 テルトゥラ - マルクス・リキニウス・クラッススの妻。 ムキア - ポンペイウスの妻。 クレオパトラ7世 - プトレマイオス朝エジプトのファラオ。カエサリオン - 長男(紀元前47年生まれの庶子)。アウグストゥスのプロパガンダなどもあり古代の記録は父親について意見が分かれているが、現代の学者のほとんどがカエサルを父親と考えている。 エウノエ - マウレタニア王ボグドの妻。
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