オリジナルプロップについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:15 UTC 版)
「デッカードブラスター」の記事における「オリジナルプロップについて」の解説
デッカードブラスターのプロップの詳細は、公開後20年以上に渡って不明であった。監督のリドリー・スコットは、自分の映画に使われたセットや小道具類が他作品に流用されるのを嫌い、撮影終了後に破棄するよう命じており、ブラスターを含めた多くのプロップや車両などが廃棄もしくは行方不明となったためである。後に明かされたところによれば、複数のプロップのうち、ヒーロープロップは制作会社であるラッド・カンパニー(英語版)所属のプロデューサーであり、プロップコレクターでもあるジェフ・ウォーカーが、スタントプロップと専用ホルスターはアソシエイトプロデューサーのアイバー・パウエルが、撮影後にテリー・ルイスより譲り受けて他の幾つかのプロップと共に保管していた模様である。 『ブレードランナー』ファン、および映画プロップマニアの間では、書籍またはビデオソフトから得られる情報と、「実際に作品制作に使用されたプロップの複製品である」と謳われているレプリカの解析から、シュタイヤー・マンリヒャー社のボルトアクションライフルの一部が用いられているらしいことは早期に推測されており、また「ボルトアクションライフルの一部とリボルバー拳銃を組み合わせたものである」らしきことも推測されていたが、具体的にどの機種の銃を用いたのかについては確定されていなかった。1982年に映画が公開された際には、後に『メイキング・オブ・ブレードランナー』を著したポール・M・サモンにより、アメリカの映画雑誌、『シネファンタスティーク(英語版)』に「ドイツの信号拳銃を改造したものである」という考察が掲載され、有力な情報とされたこともある。 1992年、『ブレードランナー ディレクターズ・カット』の公開に併せる形で、オリジナルのスタント用プロップが「発見」の形で公表され、それまで不明瞭であった全体のシルエットや各部の構成、ある程度の細部が明らかとなり、それまでにファンの間で行われていた各種の推測や分析をある程度裏付けることになり、考察するにあたっての新たな指標となった。映画公開後10年目にして、ようやく「実際に撮影に使用された実物」が示されたのである。しかし、まだこの段階では基になった実銃について完全には判明しておらず、作品のファンやプロップマニアによる、基になったとされる実銃と比較しての解析や、ファンジンを制作するにあたっての当時の関係者への取材などにより、リボルバー部分はチャーターアームズ社のブルドック・リボルバーであろうことは推定されていたものの、未だ全貌の判明には至っていなかった。 1996年には、サモンにより『メイキング・オブ・ブレードランナー』の文中にて、短いながらも「小道具主任のテリー・ルイスによりオーストリア製のシュタイヤー・マンリッヒャーライフルから製作された」と記述され、「シュタイヤーライフル改造説」の有力な証拠とされた。
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