オクターヴ表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:43 UTC 版)
音名は、異なるオクターヴの音も同じに呼ぶので、それらを区別する必要がある場合がある。しかし、オクターヴ表記には定まったものがない。共通するのは、ハから上に1オクターヴ(厳密には重変ハから半音15個上の重嬰ロ)ごとに区切ることである。オクターブの違いを表す数字はピアノの最低音を1または0とするかピアノ中央を1とするかどちらかが多い。 日本でよく使われる呼び方は次の通りである。第1列はMIDIノートナンバー、第3列から第5列は各言語におけるヘルムホルツ式ピッチ表記法、最後列は国際式(国際ピッチ表記法、科学的ピッチ表記法)(英語: Scientific pitch notation)である。 MIDI音の範囲日本語式英語式独語式国際式(MIDIの範囲外) 中央ハの6オクターヴ上から半音11個上のロまで 七点ハ - 七点ロ c7 - b7 c7 - h7 C10 - B10 120 - 中央ハの5オクターヴ上から半音11個上のロまで 六点ハ - 六点ロ c6 - b6 c6 - h6 C9 - B9 108 - 119 中央ハの4オクターヴ上から半音11個上のロまで 五点ハ - 五点ロ c5 - b5 c5 - h5 C8 - B8 96 - 107 中央ハの3オクターヴ上から半音11個上のロまで 四点ハ - 四点ロ c4 - b4 c4 - h4 C7 - B7 84 - 95 中央ハの2オクターヴ上から半音11個上のロまで 三点ハ - 三点ロ c3 - b3 c3 - h3 C6 - B6 72 - 83 中央ハの1オクターヴ上から半音11個上のロまで 二点ハ - 二点ロ c2 - b2 c2 - h2 C5 - B5 60 - 71 中央ハから半音11個上のロまで 一点ハ - 一点ロ c1 - b1 c1 - h1 C4 - B4 48 - 59 中央ハの1オクターヴ下から半音11個上のロまで (片仮名)ハ - ロ c - b c - h C3 - B3 36 - 47 中央ハの2オクターヴ下から半音11個上のロまで (平仮名)は - ろ C - B C - H C2 - B2 24 - 35 中央ハの3オクターヴ下から半音11個上のロまで 下一点は - 下一点ろ C1 - B1 C1 - H1 C1 - B1 12 - 23 中央ハの4オクターヴ下から半音11個上のロまで 下二点は - 下二点ろ C2 - B2 C2 - H2 C0 - B0 0 - 11 中央ハの5オクターヴ下から半音11個上のロまで 下三点は - 下三点ろ C3 - B3 C3 - H3 C-1 - B-1 (MIDIの範囲外) 中央ハの6オクターヴ下から半音11個上のロまで 下四点は - 下四点ろ C4 - B4 C4 - H4 C-2 - B-2 上記の表と五線譜やピアノの鍵盤との対応関係は下記の画像のようになる。 こういった表記法ではロやハに変化記号を付ける場合はその付け方によって異名同音でも違うオクターヴとみなされる。例:一点ロ(B4) = 二点変ハ(C♭5)、一点嬰ロ(B♯4) = 二点ハ(C5)(これらの音高が完全一致するのは平均律のとき) 日本語式では、片仮名の「ヘ」と、平仮名の「へ」を区別しにくいという問題が生じている。このこともあってか、現在では、日本でも日本語式より国際式の方が一般的に使われている。国際式は中央ハをC4としているが、実際には、中央ハをC3、C4、C5のどれにするか各社により違う。
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