エルゴード理論とは? わかりやすく解説

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エルゴード理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 22:38 UTC 版)

エルゴード理論(エルゴードりろん、英語: ergodic theory)は、ある力学系がエルゴード的(ある物理量に対して、長時間平均とある不変測度による位相平均が等しい)であることを示す、すなわちエルゴード仮説の立証を目的とする理論。この仮説は、SinaiらのDynamical billiardsの例などで正しいという証明が与えられている。この仮説は統計力学における等重率の原理を説明すると期待されたが、疑問が持たれている[1]。また、物理学でのエルゴード性を抽象化した、数学における保測変換の理論をそう呼ぶこともある。

長時間平均
統計的、事象的、観察結果
位相平均
計算論的、収束するもの、あるいは一定のサイクルに収めることの出来るもの、全事象等確率的として推察できるもの

上記2つの平均が同じような値(あるいは関数)を得られるものについて、エルゴード的ということが出来る。

保測変換

確率測度Pにおいて保測変換Tは任意の事象Aにおいて

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エルゴード理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 01:23 UTC 版)

ヒルベルト空間」の記事における「エルゴード理論」の解説

エルゴード理論の分野では、カオス力学系長期的振る舞い研究する。エルゴード理論が有効な原型的な場合というのは、熱力学における系である。この系の微視的な状態は(微粒子の間の個々衝突集まりとしては理解できないという意味で)極めて複雑であるにも拘らず、十分長期間にわたるその平均的振る舞いは素直であり、熱力学の法則主張するのはこのような平均的挙動である。特に、熱力学の第0法則は「十分長い時間スケール経れば平衡状態にある熱力学系の、その機能的に独立測度は、温度の形でのその全エネルギーのみである」などと定式化できる。 エルゴート力学系は、(ハミルトニアンで測られる)エネルギー除けば相空間上の機能的に独立保存量持たないような系である。詳しく述べれば、エネルギー E を固定して、ΩE をエネルギーが E となる状態すべてからなる相空間部分集合エネルギー面)とし、Tt相空間上の発展演算子表せば力学系がエルゴードとなるのは、ΩE 上の定数でない連続関数で、ΩE の任意の w と任意の時間 t において f ( T t w ) = f ( w ) {\displaystyle f(T_{t}w)=f(w)} を満たすものがない場合に限る。リウヴィルの定理によればエネルギー面上測度 μ で時間並進不変なものが存在する結果として時間並進は、エネルギー面 ΩE 上の自乗可積分関数内積を ⟨ f , g ⟩ L 2 ( Ω E , μ ) = ∫ E f g ¯ d μ {\displaystyle \langle f,g\rangle _{L^{2}(\Omega _{E},\mu )}=\int _{E}f{\bar {g}}\,d\mu } で入れたヒルベルト空間 L2(ΩE,μ) のユニタリ変換になる。 フォンノイマン平均エルゴード定理主張次のようなものであるUtヒルベルト空間 H 上のユニタリ作用素からなる(強連続)一径数半群で、P を Ut同時不動点全体の成す集合{x∈H | Utx = x for all t > 0} の上への直交射影とすると P x = lim T → ∞ 1 T ∫ 0 T U t x d t {\displaystyle Px=\lim _{T\to \infty }{\frac {1}{T}}\int _{0}^{T}U_{t}x\,dt} が成り立つ。 エルゴード系では、時間発展固定集合定数関数のみから成るので、先のエルゴード定理から任意の f ∈ L2(ΩE,μ) に対し L 2 - lim T → ∞ 1 T ∫ 0 T f ( T t w ) d t = ∫ Ω E f ( y ) d μ ( y ) {\displaystyle {\underset {T\to \infty }{L^{2}\!{\text{-}}\!\lim {}}}{\frac {1}{T}}\int _{0}^{T}f(T_{t}w)\,dt=\int _{\Omega _{E}}f(y)\,d\mu (y)} となることが従う。つまり、観測可能な f の長期平均は、そのエネルギー面に亘ってとった期待値等しい。

※この「エルゴード理論」の解説は、「ヒルベルト空間」の解説の一部です。
「エルゴード理論」を含む「ヒルベルト空間」の記事については、「ヒルベルト空間」の概要を参照ください。

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