インド洋・太平洋地域への拡散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 13:35 UTC 版)
「現生人類の拡散」の記事における「インド洋・太平洋地域への拡散」の解説
「オーストロネシア人#起源と拡散」を参照 台湾に起源をもつオーストロネシア人は人類史上初めて海を航海して、海域東南アジアやオセアニアなどに拡散していった。アウトリガーやカタマラン、クラブクロウセイル(英語版)など当時としては先進的な航海技術を使用していた。まず、彼らは紀元前3,000年から紀元前1500年ごろに急速に海域東南アジアに定住していった。次に、紀元前2,200年~紀元前1,000年頃にフィリピンやインドネシア東部からミクロネシアに移動し、定住した。 紀元前1,600年から紀元前1,000年にメラネシアに到達したオーストロネシア人の一派はラピタ人となり、独自の文化を築き上げた。ラピタ人はのちにポリネシア人となる。その後、紀元前1,200年までに遠オセアニア地域への航海に乗り出し、バヌアツ、ニューカレドニア、フィジーに到達していた。さらに、紀元前900年から紀元前800年頃にはサモアやトンガにまで到達した。ラピタ人はしばらくこれより先には進まなかったが、ミクロネシアや東南アジアに戻ったラピタ人もいた。紀元後700年までにはさらに先の太平洋の島々に航海していく。まず、クック諸島、ソシエテ諸島、マルキーズ諸島に定住するようになり、続いて900年ごろにハワイ、1,000年頃にラパ・ヌイ島、1,200年頃にニュージーランドに到達する。 マダガスカルにオーストロネシア人が移住したのは約1,200年前とされており、ミトコンドリアDNAに基づく研究によればマダガスカルの先住民の遺伝子はインドネシアの30人の母親にその起源をたどることができると推定されている。マダガスカル語にはサンスクリット語から借用され、ジャワ語やマレー語による言語上の修正の痕跡があることから、当時海上交易路を築いていたシュリーヴィジャヤ王国からの入植者がマダガスカルの先住民となったと推定されている。 オーストロネシア人の拡散は新石器時代で最も長距離を移動した拡散となり、オーストロネシア人は現在に至るまで太平洋やインド洋の島々の主要な民族となった。
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