イェルマーの脱退〜脱メタル
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「ザ・ギャザリング」の記事における「イェルマーの脱退〜脱メタル」の解説
1998年、バンドは公式サイトにて、イェルマー・ヴィールスマの脱退を発表する。家族と離れてのツアーに疲れたことと、エンジニアとして裏方に回りたいという本人の希望によるとのことだったが、その後の詳細は不明で、引退であった可能性もある。 続いて、バンドは再び公式サイトで次のアルバムが2枚組の大作になることを発表する。当初は先行して発売する限定盤のみ2枚組で、限定盤が売り切れた後は1枚モノにするとコメントしていた。しかし、実際には現在でも2枚組で販売が継続されており、後に方針が変わったようである。 アルバム『ハウ・トゥ・メジャー・ア・プラネット?』のサウンドはかなり変化している。ギター1本のハード・ロック編成となり、明らかに欧州で流行しているトリップ/アンビエントの影響が垣間見られる音となった。また2枚のディスクのラスト曲は、それぞれ、9分超、28分超と、意図的に長尺にした形跡が見られる。 シングル「Liberty Bell」はラジオ向けのエディット・ヴァージョンのみの収録で、フル・ヴァージョンは収録されなかった。珍しく全編メジャー・コード(長調)の曲であった。また同曲のプロモーション・ビデオは宇宙服を着てはしゃぐアネク1人だけで、バックのメンバーは全く出て来なかった。 ツアーは前期と後期に分けて行われ、後期はアメリカ大陸にも渡るなど、バンド史上最大規模のツアーとなった。ツアー終了後、バンドはセンチュリー・メディア・レコードとの契約以来初めて、長い休暇に入った。公式サイトには「やっと休みが取れる!」というメンバーの喜びの声が掲載された。 1999年、バンドは休暇に入り大きな動きはなかった。その代わり、初のライブ・アルバム『Superheat』をリリースしている。イェルマー脱退後の「ハウ・トゥ・メジャー・ア・プラネット?・ツアー」から2会場の演奏が収録された。全10曲と少ないのは、MPEGビデオが1曲収められているためである。曲は「Eleanor」なのだが、ファイル名のeにアクサンテギュを付けてしまったため、当時のパソコンでは見ることができなかった。翌2000年に、多言語に対応したNT系OS Windows 2000 Professional が発売され、初めて普通に見ることができるようになった。 2000年、「次のアルバムは、よりオーガニックになる」というアナウンスに続いて、アルバム『if then else』を発表。前作は「ヘヴィなゴシック・メタル」+「ノイズ」+「トリップ/アンビエント」と言った作風だったが、本作は、「ヘヴィ/メタル」というキーワードが初めて外れている。即ち、トリップ寄りのゴシック・ロックである。電子音やドラム・ループも使われ、メンバー全員が当時心酔していたレディオヘッドからの影響が見られる曲もある(「Analog Park」という気怠いナンバーが特に顕著)。オープニング曲にしてシングルとなった「Rollercoaster」はまだまだゴシックであったが、続くシングル「Amity」は多数のリミックスも収録したトリップ・バラードで、脱メタルは決定的となった。
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