アン女王の復讐号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 04:24 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動アン女王の復讐号(英語: Queen Anne's Revenge、クイーン・アンズ・リベンジ)は、イングランドの海賊黒髭(エドワード・ティーチ)の旗艦として使われた海賊船。西アフリカ沿岸からカリブ海まで、広く荒らしまわった。黒髭がこの船を使用したのは1年未満であるが、黒髭艦隊の旗艦として有名である。
後述の経緯で米国ノースカロライナ州ボーフォート沖に沈んでいたが、トレジャーハンターによって1996年に沈没船として発見され[1]、2011年に民間業者により引上げ作業が開始、2013年までに船体を引き上げる計画とされていた。結局、2014年までに大砲の一部と碇が引き上げられた。
2004年にノースカロライナ州の国家歴史登録財に登録された。船自体は No.04000148としてノースカロライナ州とモアヘッドシティの所有となっており[2]、難破現場はノースカロライナ州によりNo.31CR314[3]に指定されている。
経歴
300トンのフリゲート「コンコルド」号として、1710年にイングランドで進水した。コンコルドは1年後、フランスによって拿捕され、奴隷を含む貨物積載量を増やす改装を施された上で、輸送船「ラ・コンコルド」として奴隷貿易等に従事した。
ラ・コンコルドは1717年11月28日、奴隷の輸送のためにカリブ海を航行中、引退した海賊ベンジャミン・ホーニゴールドの後を引き継いで艦隊を率いていた黒髭に拿捕された。ラ・コンコルドは黒髭の保有する艦船よりも大型であったために、速やかに艦隊に編入されるとともに、当初から装備されていた14門の砲に加え、新たに舷側に砲門を増設し26門以上の砲と片舷あたり少なくとも4門の旋回砲を船尾楼甲板上、船首楼、そして舷側に沿って装備する改修を施され[4]、「クイーン・アンズ・リベンジ」へと名前を変えられた。
「クイーン・アンズ・リベンジ」の名は、黒髭がイングランド海軍の一員として活躍したスペイン継承戦争がアメリカ人の間では「アン女王戦争」として知られており、そこから取ったという説や、あるいはアン女王への共感から付けられたとも言われている。
1718年5月、黒髭はサウスカロライナのチャールストン港を海上封鎖し、チャールストンに出入りする船を対象に約1週間にわたって略奪を繰り返した。封鎖後、黒髭は行政官の恩赦の申し出を拒絶し、旗下の小艦隊を率いてボーフォートの入り江に逃走した。入り江においてクイーン・アンズ・リベンジは座礁し、黒髭は各艦船により引き出そうとしたが、逆にさらに1隻(アドベンチャー号)が座礁する結果となった。このため黒髭は、小艦隊を解散させるとともに、クイーン・アンズ・リベンジの物資をより小型のリベンジ号などに移して同船を放棄した。その後、1996年に沈没船となって発見される。
脚注
- ^ 特集:カリブ最強の海賊 2006年8月号 ナショナルジオグラフィック2017年2月
- ^ “National Register of Historical Places - NORTH CAROLINA (NC), Carteret County”. National Register of Historic Places. National Park Service (2007年2月7日). 2016年11月22日閲覧。
- ^ “The Shipwreck”. qaronline.org. 2016年11月22日閲覧。
- ^ Angus Konstam (2003年6月20日). The Pirate Ship 1660–1730. Osprey Publishing
外部リンク
- Queen Anne's Revenge: Archaeological Site, North Carolina Department of Cultural Resources
- Piracy worries in pirate pursuit Blackbeard, Baltimore Sun
- Philip Masters, True Amateur of History, Dies at 70, New York Times
- National Register of Historic Places, National Park Service
- Scientists Show Relics From Ship Fit For Pirate, Possibly Blackbeard, Chicago Tribune
アン女王の復讐号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 07:07 UTC 版)
「パイレーツ・オブ・カリビアンの艦船」の記事における「アン女王の復讐号」の解説
『生命の泉』で登場する、黒ひげの海賊船。全体的に赤色が目立つ塗装が施されている。船首は、巨大な骸骨で「聖杯」と「燭台」を両手に持っている。乗組員の一部はゾンビである。黒髭が持つアトランティス大陸で鍛えられたという刃の幅が広いカットラス「トリトンの剣」に埋め込まれた宝石の力によって潮の流れ・風の流れも自由に操る(ロープも操る)事で、操縦ができる。また、この剣は復讐号のみならず、全ての船に対して有効である。この力を使ってブラックパールをはじめとする数々の船を襲ってきた。しかし最終的に黒ひげを殺したバルボッサが剣を奪い、同時にアン女王の復讐号の船長になる。外装には黒髭が殺した乗組員の骨等が使われている。船首の下の船底部分からは炎を吹き出し、反乱を起こした乗組員を焼いたり、人魚を追い詰めたりなどもした。 最後の海賊ではバルボッサの船として登場。黒ひげの残した財宝を手にいれ、トリトンの剣を使って傘下の海賊船も10隻まで増やし、裕福な暮らしをしていたバルボッサによって海賊船とは思えない豪華なつくり(主に大半が金メッキに装飾)に改造され、船室の壁には頭蓋骨が敷き詰められている。 なお、実在の海賊・黒髭の旗艦もアン女王の復讐号である。
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