アレルギー症状改善に有効との仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 06:00 UTC 版)
「ゆきひかり」の記事における「アレルギー症状改善に有効との仮説」の解説
近年、ゆきひかりがアトピー性皮膚炎や米アレルギーなどの症状を持つ患者に対し症状を軽減する効果が高いという噂が広まり、それらの患者の間でじわじわと評判が高まっている。中央農試が行ったアンケート調査においても、ゆきひかり並びに高度精白米(精白歩合を70%程度まで高めた米)により症状が改善したと答える割合が他の品種に比べ高いという結果が出るなど、ゆきひかりがアレルギー症状改善に貢献している可能性は高いものと見られている。 ただし中央農試では、ゆきひかりの成分(特に抗原量)自体は他の品種と大差がないとの調査結果も同時に明らかにしており、なぜゆきひかりがアレルギー症状の改善に効果があるのか、そのメカニズムは今のところ不明である。一部では「コシヒカリ等に含まれるモチ遺伝子がゆきひかりには含まれていないから」といった説も唱えられているが、この説も十分な科学的検証を経たものとは言いがたい。ただしパッチテストにおける反応性は明らかにゆきひかりが他のイネの品種よりも低いことから、今のところこの原因は何らかの細胞性免疫によるものではないかと推定されている。 また、北海道大学農学部では「ゆきひかりは、腸内フローラの改変を介して免疫応答を修飾する結果、アレルギー改善作用を発揮する」と言う仮説のもと、研究を進めており、ゆきひかりの摂取により腸内細菌叢の変化(とりわけ A.muciniphila が少ないこと)を介した腸管粘膜バリアの強化により、腸管におけるアレルゲンの透過が少ないことが関係すると推察した。 なお、前述の中央農試のアンケート調査によれば、中にはゆきひかりにより逆にアレルギー症状が悪化したという報告も少数ながら寄せられているとのことであり、全ての患者にゆきひかりが有効というわけではない。そのため中央農試では、ゆきひかりによる食事療法を行う場合は医師の指導の元に行うことを推奨している。
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