アランビック(あらんびっく)
蒸留機の原型。現在のウイスキー、ブランデー製造に使われている蒸留機の名称。プトレマイオス朝時代(紀元前305~前30年)のエジプトの首都アレクサンドリアに生まれた錬金術で使われた蒸留機は銅製で首ながの円底フラスコに蒸気を空気冷却するための傾斜したくちばしを持った頭部(ギリシア語のаμβιξ(アムビクス))をかぶせたものであった(12ページの図参照)。641年イスラム軍のアレクサンドリア占領とともにアラビア人の手にわたった蒸留機はアラビア語でаl‐аnbiq(アランビック)と呼ばれ、ジブラルタルを渡り、後ウマイヤ朝期(756~1031年)の首都コルドバを経由して蒸留技術は西欧諸国に伝えられた。アランビックがスペイン語でalam‐bique、フランス語でalambic、英語でalembic(head,cap)、オランダ語でalambigueと各国共通であるのはそのためである。1630年ころワインの蒸留が普及したコニャックを中心としたフランスのシャラント州の蒸留機シャラント型アランビックが現在ブランデー、ウイスキーの製造に広く使われている。東洋に伝えられたアランビックは麹(こうじ)を使う東アジアの酒の醪(もろみ)を蒸留するよう原型をとどめぬまでに改造されたが、名称だけは「羅牟比岐」(らむびき)(『本朝食鑑』)と呼ばれた。
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