ビーカーの語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:41 UTC 版)
実験器具である「ビーカー」という名称は、1877年に、14世紀における中世英語のbeaker(大きく口の開いた容器)からつけられたものである。これは古ノルド語のbikarrまたは中世オランダ語のbeker(ゴブレット(英語版):足つきの取っ手の無い酒杯)に由来している。さらに、はっきりとは分かっていないが、その起源は、ギリシャ語のbikos(土器の水差し、ワイン壺、持ち手のある花瓶)から派生した、中世ラテン語のbicarium(古ザクセン語bikeri、古高ドイツ語behhari、ドイツ語Becher)だと考えられている。この経緯について、ギリシャの錬金術師が酒杯(ギリシャ語ambikos)を蒸留器として用いて広まったことで、アラビア語のal-ambic(アランビックの語源)になり、ラテン語のbicariumに繋がったとする文献がある。このように、歴史的にビーカーという用語は、飲み物を飲むための器としての意味で使われていた言葉だったのである。また、途中で英語のbeak(くちばし、転じて注ぎ口)とも同化した。 ちなみに、水差しのピッチャーpitcherも、ビーカーと同様に語源はギリシャ語のbikosではないかと推測されている。また、今でもイギリス英語では、beakerを(主にプラスチック製で取っ手の無い)コップという意味で用いている。考古学における鐘状ビーカー文化、漏斗状ビーカー文化の「ビーカー文化」という名称も、特殊な飲用広口杯の遺物が発見されたことから来ている。
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