アメリカ進出とその後の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:57 UTC 版)
「エアバスA321」の記事における「アメリカ進出とその後の改良」の解説
納入開始から数年間、A321は毎年20機前後が引き渡しされ、1998年には運航機数が100機を超え、2000年には150機を超えた。2000年頃のA321の主要運航者は、相変わらずルフトハンザやアリタリア、エールフランスといった欧州の航空会社だったが、日本の全日本空輸や台湾のトランスアジア航空などのアジアの航空会社による導入も進んだ。また、数は少ないもののアフリカや中東、中米の航空会社による運航も見られるようになった。しかしエアバス機の中でA321だけが、未だ北米の航空会社から受注を得られていなかった。 このような状況の中、航続距離が延長されたA321-200が開発されたことで、北米大陸を横断する直行路線にもA321は就航可能となった。2000年1月、USエアウェイズが短胴型のA319から発注を切り替える形でA321を導入することが報道された。2001年1月、同社への納入が開始されA321は北米進出を果たした。そして2004年から2006年にかけて、A321は180分までのETOPSも認可された。 2000年代に入ると納入機数は毎年概ね30機を超えるようになった。2009年7月時点では、航空会社67社で517機が運用されている。運用数の過半数は欧州の航空会社が占めていたが、この頃にはUSエアウェイズや中国南方航空が30機以上を導入しており、欧州以外でもまとまった機数を運航する航空会社が見られるようになった。 エアバスはA320ファミリーに対して各種改良を加えており、2009年11月15日には、主翼のウイング・チップ・フェンスに代わる新しい翼端装置の採用が発表された。「シャークレット」と名付けられた新しい翼端は、上に折り曲げたような形状で2.4メートルの高さがある。従来の鏃状のウイング・チップ・フェンスよりも燃費性能が向上することで、航続距離の延長が可能となる改良であった。シャークレットはまずA320で実用化され、A321についても2012年10月14日にシャークレット装備機の初飛行が行われた。シャークレット仕様のA321は、2013年7月17日から順次型式証明を取得し、2013年9月10日にフィンエアーに対して初納入された。
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