アメリカ合衆国の比較広告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 14:02 UTC 版)
「比較広告」の記事における「アメリカ合衆国の比較広告」の解説
ペプシチャレンジの一環で行われた、アメリカ合衆国の広告キャンペーンは、広告の歴史に残るものとなった。1975年からペプシコーラはアメリカ各地でブラインド・テストによる公開試飲調査を行い、ここでコカ・コーラよりも美味しいと回答した人が半数を超えたことを宣伝した。これは大きな話題を呼び、シェアを拡大することに成功した。ペプシコは結果の知れないチャレンジに挑んだのではなく、事前調査により得られた「一口目はコカ・コーラよりも甘いペプシを選ぶ傾向がある」ことを利用したものとされるが、具体的な調査について、ペプシコは明らかにしていない(後に、このブラインド・テストは、日本でも再現されることになる)。 公的なデータが示されたモノとしては、三菱・ギャランの衝突回避性能アピールがある。これは「併走するギャランとトヨタ・カムリの目の前に様々な障害物を投下し、衝突回避性能を試す」というもの。CMの流れとしては「前を走るトラックから投下される障害物を避けるにつれ両者の挙動は対照的(ギャランは終始安定しているが、カムリはだんだん不安定になっていく)になり、最後にクルマが投下されるとギャランは避けきって走り続けるがカムリは避けきれず止まってしまった。そしてその後『新型ギャラン、衝突回避性能でカムリを破る』と言うテロップが出る」というものである。 また、ライバルの名は出さないがあからさまにわかってしまう、というケースもある。1990年に放送されたヒュンダイのCMでは2台の白いクルマが映し出されており、一方には「ヒュンダイ・ソナタ」と、もう一方には「対抗車種」と出ている。しかしながら、その「対抗車種」にはボカシなどがいっさい入っておらず、すぐに比較対象はトヨタ・カムリだとわかってしまう。内容としては各メディアのソナタに対する賞賛の声が次々と紹介(ここでも対抗車種の名前は出てこない)され、それにつれて「対抗車種」が緑になっていく(日本語で言うところの「青ざめた」状態)というものである。またこの型のソナタのCMには、「ホンダ・アコードはいいクルマだ…」と始めておきながら、次第にアコードが無数のソナタに取り囲まれてしまう(でもみんなアコードよりソナタを選んでいるぞ、と言う意味と思われる)…と言った内容のモノもある。 また、アメリカ合衆国大統領選挙で多く用いられ、相手陣営の急所を突くネガティブ・キャンペーン、批判広告と、それに対応する自陣営の対案の宣伝が、テレビCMで頻繁に放送される。
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