アメリカ合衆国におけるエネルギー収支
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:27 UTC 版)
「アルコール燃料」の記事における「アメリカ合衆国におけるエネルギー収支」の解説
多くの初期の研究では、トウモロコシ由来のエタノールを燃料として使用することは、エネルギー収支上赤字になるとされた。すなわち、エネルギー収支の総計は、アルコールになるまでの発酵、耕作、農業トラクターの燃料、穀物の収穫と輸送、エタノールプラントの建設と操業そしてトウモロコシ糖を蒸留するのに使用する天然ガスの収支を含み、コストは生産されたエタノールが発生するエネルギーを超過する。 批評家は生産エネルギーが大抵化石燃料から来るガソホールが金を浪費して、再生可能資源を急速に枯渇させることについて議論した。 これらの多くの研究は、1970年代と1980年代初めにおこなわれた。それと2001年に解析されたデータによると、エタノールのエネルギー収支の赤字は継続している。コーネル大学生態学教授David Pimentelの試算では、上記の結論を確認するにとどまった。Pimentel教授の研究は他の専門家に議論を巻き起こし、彼に算出数値の見直しを強いた。 2003年8月時点でもコーネル大学紀要の掲載によれば、トウモロコシ由来のエタノール生産は、費やしたエネルギーを29%上回るだけである。しかし、継続的なエタノール生産手法の改善は、利益/原価率を大きく改良した。そして、大部分の研究では現行システムでは正味のエネルギー収支が黒字を示すとしている。 他の多くの研究ではトウモロコシ由来エタノール生産の正味のエネルギー収支見積もりでは大きく変化したように、改良が進んだとしている。それらの多くは燃料生産プロセスを運転するのに必要な量の1/2ないしは2/3を上回る量の黒字をエネルギー収支は示している。 2002年のアメリカ合衆国農務省報告では、トウモロコシ由来エタノール生産が1.34のエネルギー係数を持つと結論づけている。これは生産されたエタノールが製造に要したエネルギーに比べて34%上回ることを意味する。このことは単位あたり生産の75%(1/1.34)が製造の為のエネルギーに費やされるという意味になる。 MSUエタノールエネルギー収支調査(MSU Ethanol Energy Balance Study) ミシガン州立大学、2002年5月:ミシガン州立大学によって資金を供給された独立した包括調査では、ガロンあたり56%の製造に要したのに比べ余剰エネルギーがあるとされた。
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