日向の弥五郎人形行事
名称: | 日向の弥五郎人形行事 |
ふりがな: | ひゅうがのやごろうにんぎょうぎょうじ |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 弥五郎どん保存会,田ノ上八幡神社総代会 |
選択年月日: | 1989.02.27(平成1.02.27) |
都道府県(列記): | 宮崎県 |
市区町村(列記): | 都城市的野,日南市飫肥町板敷 |
代表都道府県: | 宮崎県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 「弥五郎どん」あるいは「弥五郎様」と呼ばれる巨大な人形を作り、祭礼行列の先導役として曳き出す行事は、南九州(日向、大隅地方)に特徴的に見られるもので、宮崎県内には次の二件が伝承されている。 山之口町的野の円野【まるの】神社(古くは的野正八幡【まとのしようはちまん】神社)に伝わる「弥五郎どん」は「大人弥五郎」とも呼ばれ、十一月三日の秋祭り(ホゼ)に登場する。背丈四メートル余りもある竹篭製の胴体に白い単衣【ひとえ】のカタビラを着せ、木彫の朱面を付けた人形を四輪を台車に据えて、浜下りの神幸行列の先頭に押し立て、約五〇〇メートル離れた「池の御前【ごぜん】」を祀る池までを往復する。この模様は天保年間に編纂された『三国名勝図会』などにも記載されている。 日南市飫肥町板敷の田ノ上八幡宮に伝わる「弥五郎様」は、十一月二十三日の秋祭りに登場する高さ六メートルに及ぶ人形で、白い鬚【ひげ】のある朱面と烏帽子【えぼし】をつけ、朱の衣に袴をはかせ、腰に長刀、右手に槍を持つ姿に組立られる。かつては町内に曳き出されたが、現在は境内に立てられるのみとなった。むかし、稲積【いなづみ】弥五郎という巨人が、この地に八幡様の御神体を負うてきたという伝説の主である。 南九州には巨人伝説(大人【おおひと】伝説)が顕著で、「弥五郎」はその主人公として知られ、各地にその足跡などと呼ばれる土地があり、この人形行事が、巨人伝説に具体的なイメージを提供していることが注目される。 また「弥五郎」の人形は、八幡系の神社の秋祭りに登場するものであり、我が国にあまねく伝播している八幡信仰の地方的展開を解明する上で、欠くことのできない習俗である。以上の点から記録保存の措置を講ずるものである。 |
祭礼(信仰): | 愛知のオマント 房総のお浜降り習俗 播磨総社一ツ山・三ツ山神事 日向の弥五郎人形行事 日向の祠堂の習俗 日向南郷神門神社・木城比木神社の師走祭り 日立風流物 |
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