たこ足配線の欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 00:18 UTC 版)
定格以上の電気使用による発火の危険性がある。 テーブルタップでは、定格1500Wまでという表示がよくなされているが、元のコンセントが分岐や送りで構成されている場合、ブレーカーの定格から、実際使用している機器の消費電力の合計を引いたWが、実際に使用できる電力となる。まずテーブルタップの定格を超えて使用すると、テーブルタップから発火する危険性がある。またブレーカーの安全装置が作動する寸前の電力使用を続けた場合、ブレーカーの安全装置は作動しないため、継続的に過熱状態が続き、電源を遮断する安全装置が故障する原因になる。また分岐や送りにより構成された配線の中で一番耐熱性が低い箇所、あるいは過熱が続いている箇所から発火することがある。さらに前述のブレーカーの安全装置が故障した状態では、定格を遙かに超えた電力を使用できてしまうため、連鎖的に発火がおこる可能性もある。 テーブルタップの電源コード摩耗による発火・感電の危険性がある。 テーブルタップを使用し、かつコードが家具に踏まれていたり、常に床を這うコードが人の足で蹴られている状態だと、電源コードの内部断線が徐々に起こっていき、発火の危険性が高まる。またコードの被膜が破れてしまうと、感電する危険性があり、同時に短絡による発火の危険性も高まる。(電気工事で使用されているVVFケーブルは、手抜き工事でない限り、普段は人の手に触れない場所に配線されているため、この問題は発生しない。) ブレーカーの安全装置作動による情報損失・機械的損失の可能性がある。 パソコン等を使用している場合、定格を超えてブレーカーの安全装置が作動する(いわいるブレーカーがおちる)と、UPSをつけていない限り、作成したデータが消失する。あるいはパソコンのハードディスク等が故障することもある。 トラッキング現象が起こりやすくなる。 テーブルタップは必然的に壁コンセントからの配線が必要なため、たこ足配線が複雑化すると、増えたコンセントの数の分だけ、トラッキング現象が起こる確率が高まる。しかもテーブルタップは床に置かれることが多く、コンセントが上を向いてしまう場合、壁のコンセントよりもほこりがたまりやすい。そのため、コンセントにシャッターがついているタイプもある。 テーブルタップの使用機器制限がある。 テーブルタップは、ブレーカーから壁のコンセントの接続に使われるVVFケーブルよりも、電気耐性の低い一般的なケーブルが使用されており、消費電力が大きいエアコン(100Vタイプ)・冷蔵庫・アイロン・電気カーペット等・電気ストーブの器具をたとえ単独でも接続することは危険であり、接続できないことにより、生活の利便性が若干低下する。安価なテーブルタップには、「1500Wまで」の表示しかないものがあるが、多数口のテーブルタップであっても、そのうち、一つのコンセントに消費電力の負担を強くかけると、合計が1500Wを超えていなくても、コンセント部分が過熱し、変形・ひび割れが起こり、最悪発煙や発火につながる。 複数の配線が床を這うことにより、怪我の危険性が高まる。 たこ足配線を行い床に電源コードが這った場合、整理してコードの取り回しをしないと、人が歩く通路にコードが這うことになりかねない。その場合、コードに足を引っかけて、転倒する可能性があり、怪我の原因になる。
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