それぞれの仮面
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「マスカレード・イブ」の記事における「それぞれの仮面」の解説
初出:『小説すばる』2013年2月号 ストーリー コルテシア東京に就職して4年目の新米フロントクラーク・山岸尚美の前にかつての元彼・宮原隆司が客としてやってくる。元プロ野球選手のタレント・大山将弘のマネージャーとして彼と共にチェックインした宮原はその日の夜、尚美に愛人が自殺を仄めかして失踪してしまったと相談する。愛人が以前に自殺未遂騒ぎを起こしていることから予断を許さない状況の中、あくまで妻や会社に内密にしたいという宮原の意向を受けて尚美は、宮原が仕事の関係で海外に経つ明日までに愛人の捜索を開始する。やがて次々と高価なルームサービスを注文するプレジデンシャル・スイートの客の存在から、この騒動に関わる様々な人間達の仮面の下の素顔を垣間見ることになる。 登場人物 宮原隆司(みやはら りゅうじ) 尚美の大学時代からの元彼。尚美が参加していた映画研究会の先輩で、映画グランド・ホテルの話をきっかけに様々な映画を一緒に観る恋人同士となったが、卒業後に就職した中堅ゼネコンが倒産し、大阪の不動産会社に再就職が決まったのを機に尚美と別れた。大阪の会社からリストラされ、現在は従姉が「大山プロダクション」社長と友達同士という縁から大山のマネージャーとなり、本人曰く2年前に結婚しているという。性格的に気が弱いが、デートでも尚美への配慮を欠かせない気遣いの人でもあった。 西村美枝子(にしむら みえこ) コルテシア東京の宿泊客で1105号室にチェックインした、ブランド物を着飾ったすらりとした長身の女性。北新地のクラブのホステスで、宮原とはそこで知り合い不倫関係にあるという。 大山将弘(おおやま まさひろ) 元プロ野球選手。2年前に現役を引退してからは妻が社長を務める「大山プロダクション」という自身をマネジメントする会社でタレントや野球解説の活動をしており、宮原らからは「大将」と呼ばれている。宮原や弟分の元野球選手と共にコルテシア東京にチェックインし、テレビ番組の企画でサッカーを観るためスペインに経つ予定を控えている。
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