マスカレード・イブとは? わかりやすく解説

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マスカレード・イブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/29 03:38 UTC 版)

「マスカレード」シリーズ > マスカレード・イブ
マスカレード・イブ
著者 東野圭吾
発行日 2014年8月25日
発行元 集英社文庫
ジャンル 推理小説
日本
言語 日本語
形態 文庫本
ページ数 336
前作 マスカレード・ホテル
次作 マスカレード・ナイト
公式サイト books.shueisha.co.jp
コード ISBN 978-4-08-745216-7
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マスカレード・イブ』は、東野圭吾の連作推理小説2014年8月25日集英社文庫から刊行された[1]「マスカレード」シリーズの第2作で、前作『マスカレード・ホテル』の前日憚となる連作短編集。

2013年に『小説すばる』で発表された2編と、2014年に発表した1編に加えて、書き下ろしの「マスカレード・イブ」が収録され[1]、前作からの主人公コンビ・新田と尚美が出会う前の、2人の新人時代も含めたそれぞれのストーリーや、前作で触れられていた台詞や場面に関するエピソードも明かされている。

東野の提案で単行本化を経ずにいきなり文庫として刊行され、発売から約1か月半で発行部数100万部を記録した[2]

各章あらすじ

新田と尚美を始め、前作からの登場人物については「マスカレード」シリーズ#主な登場人物を参照。

それぞれの仮面

初出:『小説すばる』2013年2月号

コルテシア東京に就職して4年目の新米フロントクラークである山岸尚美の前に、かつての元彼・宮原隆司が客として現れる。元プロ野球選手のタレント・大山将弘のマネージャーとして彼と共にチェックインした宮原は、その夜、尚美に愛人が自殺をほのめかして失踪してしまったと相談する。愛人が以前に自殺未遂騒ぎを起こしていることから予断を許さない状況の中、あくまで妻や会社に内密にしたいという宮原の意向を受け、尚美は宮原が仕事の関係で海外へ発つ明日までに愛人の捜索を開始する。やがて、次々と高価なルームサービスを注文するプレジデンシャル・スイートの客の存在から、この騒動に関わる様々な人間たちの仮面の下の素顔を垣間見ることになる。
登場人物
宮原隆司(みやはら りゅうじ)
尚美の大学時代の元恋人。大学では尚美が所属していた映画研究会の先輩であり、映画グランド・ホテルをきっかけに交際を開始した。卒業後、就職した中堅ゼネコンが倒産。大阪の不動産会社への再就職を機に尚美と破局した。大阪の会社もリストラされ、現在は従姉と「大山プロダクション」社長との縁故で大山のマネージャーを務める。2年前に結婚したと自称している。気弱な性格だが、尚美に対しては細やかな配慮を見せる一面もあった。
西村美枝子(にしむら みえこ)
コルテシア東京の宿泊客(1105号室)。ブランド品で身を固めた、長身の女性。北新地のクラブホステスであり、宮原とはそこで知り合い、不倫関係にあるとされている。
大山将弘(おおやま まさひろ)
元プロ野球選手。2年前に現役を引退。現在は妻が社長を務めるマネジメント会社「大山プロダクション」に所属し、タレントおよび野球解説者として活動している。宮原などからは「大将」と呼ばれている。宮原や元野球選手の後輩と共にコルテシア東京に滞在中。テレビ番組の企画でサッカー観戦のため、スペインへ出発する予定である。

ルーキー登場

初出:『小説すばる』2013年7月号

捜査一課に配属されて間もない新人刑事・新田浩介は、ホワイトデーの夜に発生した実業家・田所昇一の殺害事件の捜査に参加する。殺害された田所昇一は、夜中のジョギング中に襲われたものと見られ、現場付近には犯人が昇一を待ち伏せていたことを示すように、5本の煙草の吸殻が残されていた。昇一の周辺で怨恨や痴情のもつれといった動機が見当たらず捜査が行き詰まる中、新田はふとした閃きから現場の偽装を見抜き、やがて昇一殺害の犯人を突き止める。しかし、犯人の動機を調べる過程で、新田はある人物の仮面の下に隠された複雑かつ狡猾な素顔に迫っていく。
登場人物
田所美千代(たどころ みちよ)
殺害された田所昇一の妻。京橋で料理教室を主宰。明るく細やかな気配りから、生徒達には好評であったとされる。昇一とは生徒の紹介を通じて知り合い、3年前に結婚。夫の昇一は複数の飲食店を経営する実業家であり、人望が厚く、部下には家族との時間を大切にするよう諭す人物であった。
横森仁志(よこもり ひとし)
美千代の料理教室の生徒。うつ病と診断され会社を休職中。料理教室に通い始めた当初から、美千代に好意を抱いている。
岩倉(いわくら)
昇一の部下。昇一の部下の中では最も社歴が長い。新田と本宮の聞き込み調査に対応する。

仮面と覆面

初出:『小説すばる』2014年11月号

コルテシア東京に典型的なオタク5人組がチェックインする。彼らの目的は、ホテルを予約した美人で知られる人気女流作家タチバナサクラの居場所を突き止め、遭遇することにあった。尚美は、タチバナサクラの担当編集者の望月に事態を知らせ、トラブルが起きないよう目を光らせていた。しかし、タチバナサクラとして宿泊したのは、玉村薫と名乗る中年男だった。望月から、玉村が女流作家の覆面を被らざるを得ない諸事情を知った尚美は、あらゆる手段を講じてでも、オタク達からその秘密が明らかになるのを防ごうとしていた。一方で、缶詰め状態で小説を執筆しているはずの玉村が度々外出していることに、引っ掛かりを覚えていた。
登場人物
玉村薫(たまむら かおる) / タチバナサクラ
ペンネーム「タチバナサクラ」として活動する人気作家。プロフィールは性別と生年月日以外非公表で、「計算すれば年齢27歳」という設定。正体は玉村薫という中年男性である。今年春、一ツ橋出版主催の新人賞を受賞したデビュー作が、青春小説でありながら過激な性描写も相まってヒット。以降、ベストセラーを連発している。しかし、受賞を有利にするための性別詐称が発覚したため、編集部の意向で女性覆面作家として売り出される。ファンに幻想を抱かせる目的で作成された、瓜実顔の合成写真が加工前に流出した結果、本人の与り知らぬところで熱狂的なファンによる捜索対象となる。逃走癖があり、度々雲隠れしては担当編集者の望月らを困惑させている。なお、高校生の娘がおり、編集部への電話応対は主に彼女が担当していた。
望月和郎(もちづき かずろう)
一ツ橋出版に勤務する、玉村薫(タチバナサクラ)の担当編集者。玉村に新作を執筆させるため、コルテシア東京に缶詰状態にしている。自らを「動物園の飼育係と同じ」と割り切り、玉村が逃亡せず執筆に専念するよう監視している。タチバナサクラの正体を知った尚美に対し、秘密保持への協力を依頼する。
目黒和則(めぐろ かずのり)
タチバナサクラの熱狂的なファンである5人組の一人。黒縁眼鏡を着用。年齢不詳で、中年とも高校生とも見える風貌。栃木県在住。
犬飼(いぬかい)
熱狂的なファン5人組の一人。静岡県在住。5人の中では比較的強気な言動が目立つ。
今村祐二(いまむら ゆうじ)
出版社「灸英社」の文芸書籍編集部に勤務する編集者。タチバナサクラに執筆を依頼するため、コルテシア東京を訪問する。

マスカレード・イブ

初出:書き下ろし

尚美は、開業して間もない大阪のホテル・コルテシア大阪へ、教育係を兼ねた応援として出張勤務する。一方、東京では大学教授の岡島孝雄が教授室内で刺殺される事件が発生した。所轄の女性警官・穂積理沙と共に捜査にあたった新田は、有力な容疑者として岡島と同じ学部の准教授である南原に目を付けた。犯行時、京都のホテルにいたと主張する南原だが、アリバイを崩されると大阪のホテルに宿泊していたことは認めた。しかし、そこで密会していた不倫相手の人妻に迷惑をかけられないとして、ホテルや人妻の名前を頑なに教えようとしない。共犯者の線も浮かび上がるが、新田たちはアリバイ確認となり得る具体的な証言を避ける南原の真意を掴めないままいた。やがて、度重なる追求の中で南原はホテル名を白状する。そのホテルこそ、尚美が勤務するコルテシア大阪だった。
登場人物
穂積理沙(ほづみ りさ)
八王子南署生活安全課の女性警察官。岡島殺害事件の特捜本部が同署に設置され、応援として新田とコンビを組む。後に新田からコルテシア大阪への聞き込みを指示され、そこで尚美と対面する。体格はがっしりしているが、警官には見えないような丸顔で、おっとりとした雰囲気を持つ。明るくお喋り好きで、楽天的な言動や突飛な推理を披露するため、新田には呆れられることが多い。悪者を捕まえたいという志を持ち警察官になったが、男性の補助が多いことに内心ではもどかしさを感じている。それでも成果を上げようと真摯に仕事に取り組む姿勢が、尚美の共感を呼び重要な証言を得るに至る。
南原定之(なんばら さだゆき)
泰鵬大学理工学部准教授。40代半ばでありながら、洗練された印象の男性。教授の岡島と共に半導体の新材料を研究しており、自身が特許を持つ「極限点におけるMKE製法」の技術を岡島が採用しない方針としたため、自身の地位と巨額の富を得る機会を失うと考え、岡島を殺害する動機を持つ人物として新田たちの捜査線上に浮上する。自身の強みは実行力だと考えている。
畑山玲子(はたけやま れいこ)
美容サロンやフィットネスクラブを経営する女社長。40歳ながらも若々しく見えるハスキーボイスの女性で、薔薇の香水を愛用している。横浜の資産家である父・輝信の一人娘として育ち、大学卒業後に2年間アメリカへ留学、外資系企業に勤務した後、30歳で父の援助を受けて起業した。南原と同じ日にコルテシア大阪に宿泊しており、南原の不倫相手であるという疑惑が持たれる。現在、父・輝信は春に倒れ意識不明の状態が続いており、予断を許さない状況にある。
畑山義之(はたけやま よしゆき)
玲子の夫であり、畑山家の婿。玲子の会社の専務取締役を務め、仕事上では旧姓の「矢部」を名乗っている。年齢は玲子より10歳年上。玲子の「愛・勇気・運」を集約した事業の才能に深く感銘を受け、彼女を愛し守りたいという強い意志を持つ。
山本、鈴木
泰鵬大学理工学部の助手と学生。岡島の遺体の第一発見者であり、助手の山本は聞き込みに訪れた新田に対し、南原に関する証言を行う。
田代
コルテシア大阪の若手フロントクラーク。
吉村
コルテシア大阪のアシスタント・マネージャー。コルテシア大阪へ聞き込みに来た理沙に尚美を紹介し、尚美に証言を依頼する。

脚注

  1. ^ a b 初版奥付の記載による。
  2. ^ 東野圭吾:「マスカレード・イブ」が1カ月半で100万部突破 - MANTANWEB(まんたんウェブ) 2014年10月2日

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