製鉄所
「製鉄所」とは、鉄鉱石を製錬して鉄(銑鉄)取り出し、製品に加工する工場のことである。とりわけ原料から最終製品まで一貫作業で生産する工場を指す場合が多い。個々の施設を指すこともあれば、その施設を保有する事業者を指すこともある。
日本における代表的な製鉄事業者としては、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の3社が最大手であり、「日本の3大製鉄所」として知られる。3社合わせて10数の製鉄所が日本全国にある。
製鉄所は基本的に24時間稼働しており、夜の製鉄所には無機質なライトが煌々と灯る。これが昨今では好事家から「工場夜景萌え」として愛好されている。
「製鉄所」の概要
「製鉄所」は、製鉄を行い、鉄製品・鉄鋼製品をつくるための一連の設備が整っている工場のことである。今日、単に「製鉄所」といえば、一般的には原料(鉄鉱石)から鉄を取り出し、精錬し、それを厚板や鋼管といった最終製品に加工するまでの全工程を一箇所で行える工場を指すことが多い。製鉄所は巨大な施設である。大量の水を使う。鉄溶鉱炉は稼働中に事故が起きてはならない危険な設備でもある。そのため、地盤が強いこと、豊富な水源が確保できること、自然災害が少ないこと、等々の条件が求められる。
製鉄所は、原料となる鉄鉱石などが産出する地域の近くに建造される場合もあるが、日本では原料の搬入も製品の搬出も行いやすい港湾に隣接した地域に建造されることが多い。
日本の有名な製鉄所
日本においては、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の3社が製鉄所(鉄鋼メーカー)の大手として知られている。JFEスチールの西日本製鉄所は、敷地面積は約2510万平方メートルあり、世界最大の規模を誇っている。
「八幡製鉄所」とは
八幡製鉄所(やわたせいてつしょ)は、1901年(明治34年)に稼働が開始された官営の製鉄所である。福岡県八幡村(いまの北九州市)に建設された。戦前の日本において鋼材の生産量は全国一を誇り、当時の日本の製鉄事業の重要な役割を担っていた。八幡製鉄所は、日本で初めての近代的銑鋼一貫工場でもあった。建設にあたってはドイツ人技師を招聘して指示を仰いだという。
八幡製鉄所の一部の施設は、2000年代に経済産業省により「近代化産業遺産群」のひとつに認定され、2010年代にはUNESCOにより「世界遺産」に登録されている。
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