じゆうぼうえき‐きょうてい〔ジイウボウエキケフテイ〕【自由貿易協定】
自由貿易協定(じゆうぼうえききょうてい)(Free Trade Agreement)
域内で関税や非関税障壁を撤廃する。モノや情報、サービス、人の流れが自由になる。自由貿易協定の例としては、欧州のEUや、南北アメリカのNAFTAが有名である。
シンガポールとの自由貿易協定は、1999年12月、ゴー・チョクトン首相が訪日したとき、故小渕首相に提案して話が始まった。これを受けて、2000年3月からは協定の具体的な内容について共同研究が行われている。11月に開かれる首脳会談で正式に合意できれば、2001年にも日本初の自由貿易協定が実現する。
自由貿易協定が実現すると、日本とシンガポールの間で、すべての分野について市場が開放される。輸出入の制限がなくなり、関税が取り払われる。企業投資やサービス取引も自由になる。
IT時代の今日、電子商取引の面でも規制が緩和される。シンガポールのパソコンソフトなどが、日本に入ってくる他、プログラマーなどの人材交流も活発になる。
さて、自由貿易協定は近年、世界的に進んでいる。実際のところ、どこにも参加していないのは、世界で日本・中国・韓国の3国だけである。産業界では、このままでは世界の潮流から取り残されるという危機感もある。
自由貿易協定には、特に農業界からの強い反発がある。市場開放によって廉価の農作物が日本に入ってくることを嫌うためである。日本の作物は相対的に価格が高いので、貿易の自由化は大きな痛手になる。こういうことが妨げとなり、これまで日本は、どこの国とも自由貿易協定が締結できなかった。
これが、シンガポールとの間で協議がうまくいっているのは、同国が都市国家であるため、農業面での懸念がないからである。
他に日本との間で、自由貿易協定の話が進んでいる国としては、韓国・メキシコ・チリなどがある。
(2000.08.28更新)
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