お松明
お松明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 10:00 UTC 版)
修二会のシンボルのような行事に二月堂の舞台で火のついた松明を振り回す「お松明」がある。この松明は上堂の松明といわれ、本来は、初夜の行を始めるために練行衆が登廊を登るときに道明かりとして焚かれるもので、室町時代の絵では50cmくらいのいまのチョロ松明程度のものであるが、江戸時代に徐々に大きくなり童子に寺から禁制が出されたが童子が見せ場を願い、そのまま今のように巨大化し演じるようになる。一人の童子が松明をかざして、後に一人の練行衆が続き、入堂された後に、その松明を舞台(欄干)に回り、火を振り回すのである。その後、裏に回り水槽で消され、上がってきた登り廊を降りていく。本行の期間中連日行われるが、12日は一回り大きな籠松明が出るので見応えがある。また、12日のみ11本の松明が上堂する。他の日は10本である。12日以外の日は、新入は先に上堂して準備をしているため10人、12日だけは準備をしてから一旦下堂するので11人の上堂となる。この籠松明は長さ8m、重さ70kg前後あり、バランスを取るため、根が付けられている。他の日の松明は長さ6~8m重さ40kg。籠松明以外は、使われる日の早朝に担ぐ童子自身が食堂(じきどう)脇で作る。材料は1~2年かけて集める。周辺各地から竹送りとして、名張の「伊賀一ノ井松明講」、奈良市内縁家による「仁伸会」、生駒市高山地区の「庄田松明講」、京都府京田辺市の「山城松明講」、などの講やグループから寄進があり、1年間保管の後に使用する。籠をくくるフジヅルは、滋賀県甲賀市(旧・信楽地区)の江州紫香楽一心講から毎年200kgが寄進されている。だが竹以外は年々調達が難しくなってきている。 お松明の火の粉を浴びると健康になる、あるいは幸せになると信じられている。また燃えかすを持って帰り護符の代わりにする信者も多い。 12日のお松明には年によっては2万人から3万人の人出がある。(ただし12日は非常に混雑するため規制・照明・放送などがあり、雰囲気を味わうには前半に見る方がよい。)
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