アスファルト【asphalt】
アスファルト
【英】: asphalt
アスファルトには、地表に滲出{しんしゅつ}した原油が長年月のうちに軽質分を失い、風雨にさらされ、酸化されてできた天然アスファルト(natural asphalt)と石油精製によって生産されるアスファルト(petroleum asphalt)とがあるが、わが国では前者は生産も輸入も皆無なため、アスファルトといえば一般に石油アスファルトを指す。 また、アスファルトはビチューメン(bitumen)ともいう。石油アスファルトは、減圧蒸留の残油および潤滑油製造の際の溶剤脱瀝{ようざいだつれき}の残査で、ナフテン基原油または混合基原油に多く含まれている。黒色の粘着性のある半固体物質で、加熱すれば軟らかくなり、徐々に液状となる。アスファルトの成分は、非常に複雑な多環化合物を主体としたもので、マルテン(油分およびレジン分)のなかにアスファルテンがサスペンソイド(suspensoids)の形で分散し、それらがコロイド物質を作っているといわれる。アスファルトには、ストレート・アスファルト(straight asphalt)とブローン・アスファルト(blown asphalt)とがあり、前者は普通、残油(または残査)そのままであるが、後者はストレート・アスファルトに空気を吹き込んで酸化重合させて固くしたものである。ストレート・アスファルトは、伸度が大きく、軟化点が低く、粘着力が強いため、主として道路舗装に用いられるが、ブローン・アスファルトは弾力性に富み、感温性(温度変化による固さの変化)が少なく、変質・劣化の傾向が少なく、衝撃抵抗、防水性、電気絶縁性が大きいなどの性質から、防水、防湿、保温、保冷、電気絶縁、ゴム混和、アスファルト・ブロック、アスファルト・タイルなどに使用される。このほか、簡易舗装用に使用されるカットバック・アスファルトおよび乳化アスファルトがある。 |

アスファルト
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