『ひげのあるおやじたち』絶版回収事件とは? わかりやすく解説

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『ひげのあるおやじたち』絶版回収事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 01:30 UTC 版)

今江祥智」の記事における「『ひげのあるおやじたち』絶版回収事件」の解説

今江は「母の友」に1967年4月号から1968年3月号まで連載した長篇『ひげのあるおやじたち』(1970年11月10日福音館書店から刊行)の第8章「八ばんのとうちゃん 非人頭甚五」における 非人たちは、いつもどこか死人においがした。(112-113ページ) などの表現や、非人部落描写である なんともかともいえぬにおいが、下のほうからむっとのぼってきたのだった。目のなかにまでしみるようなにおいだった。(116ページ) などの表現部落差別助長しているとされ、部落解放同盟から糾弾受けたことがある。特に『解放新聞編集長土方鐵意見は「(田島征三の)絵が汚い、汚く描いたところが差別だ」というものであった。 これに対して、自らの画風かねがね「汚い」と評され差別されることが多かった田島は「それこそ差別じゃあないですか!」と言い返そうとしたが、今江は、1971年4月、「日本児童文学」誌に「わたしの中の"差別"」と題する反省文発表し早々と『ひげのあるおやじたち』を絶版・回収裁断処分にすると決定以後全集にも収録していない)。この対応を“表現の自由主張しないのは立派だ”と土方宅間英夫部落解放同盟関係者から讃えられた今江は、これ以後タンポポざむらい』など差別に関する作品執筆した時は宅間らに検閲乞う至った。特に宅間からは、京都市北白川自宅購入する際に「銀行をだまくらか」す便宜図ってもらったという。その他、部落解放同盟大阪府連合会招かれ講演おこない、さらに部落解放文学賞童話部門選考委員20年以上にわたり務めていた。 その後この作品38年歳月経て2008年に『ひげがあろうが なかろうが』に併録される形で部落解放同盟出版部門である解放出版社から復刊された。このことにつき田島は「今回38年ぶりに、出たが、超分厚い本の中に飲み込まれてしまったし、タイトルカットのみで、見てもらいたいイラストレーション一枚入ってないのだ。タイトルカットにしても原画がみつからず印刷物からの複写だから迫力欠ける。今回出版社部落解放同盟出版要する三十八年前の絶版早とちりということなんですね」と評している。

※この「『ひげのあるおやじたち』絶版回収事件」の解説は、「今江祥智」の解説の一部です。
「『ひげのあるおやじたち』絶版回収事件」を含む「今江祥智」の記事については、「今江祥智」の概要を参照ください。

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